Nicotto Town


ふぉーすがともにあらんことを、あなたにも。


オスカー・ブラッドレー博士の記し書き 6

洞窟。

真っ暗だ。

明かりをつけてみる。

目の前に立ちはだかる
岩の壁が浮かんだ―――。


人間は、たいまつ、
ランプ、懐中電灯へと

明かりを照らす道具を
変えてきた。

洞窟を照らす道具に
やがては懐中電灯を
使うようになった。

洞窟を照らす
ということは

自分の過去を
照らすことに似ている。

洞窟が過去で、

ランプは未来から見た〈目〉
である。

その洞窟自体は
変わらないが、

ランプの照らす場所によって
見え方は変わる。

しかも洞窟という過去は
変わらないのだ。


物事は見方で変わる。

物事という尺度が
存在するわけではなく、

あくまで見え方で
物事が成り立っている。

年齢によって物事は
変わらないが、

見方はいつでも変わっているのだ。

物事を考えるとき、
ランプになり得るのは
自分の見方である。

たまには、
自分のランプの当て方も
調整しなければなるまい。

常に見方を変えてこそ、
物事が見えるというものだ。





Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.