Nicotto Town


ふぉーすがともにあらんことを、あなたにも。


ノーベンバー・ストライプス

4月の地面に、雨音が響く―――。

サン・クロットウェルの農場では、

今日も忙しく農場主によって
機械の整備が行われていた。

「やぁ、ジョンソン」
機械いじりをしていた
ベン・ハートは

尋ねてきた
ジョンソン・ネルソンに気さくに挨拶した。

「どうだい。ベン?」
ベン・ハートはそう言われると
にこやかな笑顔で
ハグしながらネルソンに挨拶した。

「どうかな。今年の具合は」
ネルソンは若干真顔になりながら
ベンに尋ねた。

「そうだねぇ。うーんと」
ベンは考え込んだ。

「とりあえず、ジュースでもどうだい」
ベンの提案に、ジョンソンはご機嫌だった。

「じゃぁ、いこうか」
ベンの背中をたたきながら

納屋の中に二人は入っていった。


「今シーズンは2割3分5厘ってとこだな」

「誰の話だ」
ベンは訝しんで聞いた。

「イチローだよ。ヤンキースの」

「あぁ、あいつか。

注目の選手いるか?」

ベンはジョンソンに尋ねた。

「うちのナスと米だね」
ジョンソンはいたって明るく答えた。

「また挑戦ってか?」
ベンは相槌を打つ。

「いいかげん、小麦に切り替えたら
どうだい。

政府の出資も得られることだし」

ベンは言った。

そうか―。うちの小麦は政府出資なんだ。

「そこで機械いじってるのは、
ベンぼうやか?」

「ステニスだよ。仲良くな」

「はじめまして」

僕は軽くお辞儀をしながら
挨拶した。

「子供が農場継ぐかなんて
分かりっこない。

早いうちに進退決めとけよ」
ジョンソンは茶かした。

「あぁ、だが俺はまだ40だぞ。
あと30はやれるな」

ベンは言った。

「おいおい、その前に就職して
ニューヨークにでも飛んで行っちまいそうだがな」
ジョンソンは茶化していた。

「よし、そろそろ小麦を見ておこう。

機械は任せた」

「あい、父さん」
僕は機械に目を遣りながら
二人の会話を聞いていた。


「そうだなー。

これなんかどうだ」
検品にと分けてある
小麦の棚を指して

ベンは言った。

「ほう。うちのナスよりいいな」
ジョンソンは満足そうだった。

こっそりあとをついて
会話を聞いてみる。

「なぁ、今年もこんなして
生えてきたんだぜ」
ベンは言った。

「そうだな。神の思し召しだろう。
この作物を作れってな」
ジョンソンは大げさだった。

「こうやって大地は巡ってるんだ。
アメリカがこれにあやかれる土地だといいな」
ベンはいつになく神妙そうな顔だった。

日はまた昇り、そして日はまた落ちる。

そうして巡り合わせを繰り返すうち、
大地は神妙に、そして豊かになるのだ。

〈Fin.〉

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2013/07/04 14:03
なるほどb

小説のふり幅というか、
なるべく設定で内容が
偏らないように

気を付けているのですb

オールマイティにウケやすい
題材を使ってるので

たぶんそういうことのこと
ではないかと思います~b
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2013/07/04 13:31
穏やかで、
レールが広いっていうんでしょうか?

なんとなく自由な感じがしましたヾ(*・ω・*)
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2013/07/04 12:56
船ですかw

詳しくお聞かせ願いたいものですなw
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2013/07/04 12:34
alfonceさんの作る作品は、
船のようですねヾ(ω` )

素人が書く小説は、
レールに沿って進むジェットコースターのようなものに感じますが、
そういったものとは、違う不思議な感じですねヾ(*・ω・*)

リクを聞いてくれて
ありがとうございましたヾ(●´∀`●)




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