Nicotto Town


ふぉーすがともにあらんことを、あなたにも。


【短編】鶏の駆け引き

朝、日が昇る。

夕、日が沈む。

夜、鳥が鳴く。
朝、家畜が目覚める。

そういうサイクルの中で、
人は生きている。

この地球上に、人以外に生きているものなど
あるのだろうか。

はたまた、人が知らない言葉で話しているだけ
かもしれない。

どっちにしろ、先が見えない状況では
誰が強いか、という話にしかならないわけだ。


鶏に目を遣る。

彼もこっちを見遣った。

あと何日で、彼は肉になるのだろうか。
代々人間の血、肉、骨となり
飼いならされてきた家畜。

飼われることにしか才のない家畜に、
果たして言葉などあるのだろうか。

しゃべる話などあるのだろうか。


「私は動物の言葉が分かるよ」
傍らのじいさんが言った。

「どれ、話を聞いてみようか」
じじいは鶏の傍らにしゃがみ込むと、

どれ、どれと検分し始めた。

「うん、うん。なるほど」

本当に分かっているのか?
じじい、気が触れただけじゃなかろうか?


「明日は曇りだと言っておる」
じじいは唐突に言った。

「それと、家畜はうんざりだと。

お前のことが憎いとも言っておる」

「ふぅ」

「まぁ、憎いのは冗談じゃろうな。
正確には、この家畜を開放しろというわけじゃ」

「だから?」

「わしには分からん。鶏に聞いてみな」

「おい、そこの鶏」
鶏は一瞬気まずそうな顔をした。

「お前は開放だ。意見したんだからな」

えっ?

一瞬鶏の顔がそう見えた。

「うん、愚かな取引じゃな」
じじいは言った。

「家畜の所有権のことは慣例で決まっておる」
じじいは改まった。

「最初の人間というのがそうじゃ」

「俺、だよ俺」
俺は自分を指さしながら言った。

「では、家畜を自由にするための儀式を……」
俺はじじいに改まって言った。

「うむ、よい。よいぞ」


鶏は怖気づいた顔で一瞬こちらを見た。

はっ?と言いたそうな顔である。

と、同時に逃げ出した。

じじいは笑いながら去っていく。

鶏の儀式。

人間と会話することだった。


農場の生活はこんな感じだ。

何もかもが流れで過ぎていく。

あるのは、物事の関係性だけ。

農場の一日は、日の運びに則って進んでいく。

そしてまた、誰もが恐れる夜が来るのだ。

日のない夜の、かがり火の下で。


農場の生活というのは、
なんの節度もなく進んでいく、

愚かなのは人間でもあり、
家畜でもある。

ただ、そこにあるのは生命なのだ。

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2013/11/24 20:55
うぅん。

頑張ってみます^^
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2013/11/24 20:50
なるほど、よかった^^

今は読みやすくなりましたかね?
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2013/11/24 20:44
さっき変えたのですが、どうでしょう。
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2013/11/24 20:41
時間経過のところでしょうか・・・?
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2013/11/24 20:20
読みやすくしてみました。

一度読んでみてください^^
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2013/11/23 14:45
間合いと、漢字やひらがなですか…。

難しいですが頑張ってみます^^;;

どうすればいいのか一度考えてみます。
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2013/11/23 13:05
あまり自信はありませんが、

そのお言葉で自信が少しつきました^^
どこか直すとこなどはありそうでしか?
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2013/11/23 12:58
そ、そうでしょうか…?汗
ありがとうございます^^*




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