Nicotto Town


ふぉーすがともにあらんことを、あなたにも。


カカオの薫る街で

この街では長らくカカオの貿易が営まれていた。

この街はドイツの植民地なのである。

港からは、熟成したカカオの実が輸出され、

欧州の王侯貴族の口へと運ばれる。

街からはカカオを営む者たちの喧騒が

やかましく聞こえてくる。


この街はカカオで発展していた。

植民地となる前は、
ほんの小さな街が存在するだけだったのである。

18世紀になって、カカオがカリブ海からもたらされた。

フランスの一時直轄地になったあと、

ドイツへと売却されたのである。


この街にカカオが薫るようになってから久しい。

その実は欧州へと売り渡され、

そして王侯貴族の口へと運ばれる。

庶民の手に渡るのなら
まだこちらもやりようがあるのだが、

いかんせん貴族の手に渡るようであれば

こちらも如何ともし難い状況にある訳である。

如何せんこの国はカカオの奴隷となってしまったようである。






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