Nicotto Town


アオイさんの日記


side ジャムとヤマブキと旅人だった男・3

笑われた事にちょっとムッとしながら、自分のことを棚に上げてヤマブキがそんな事を思った。と、もしゃもしゃとトーストを食べていたヤマブキに、アオイはにこやかな笑みを浮かべて、さっきカウンターの中で聞いていたんですけど。と声をかけた。
「ヤマブキさんは、サハラさんみたいな方が好みなんですか?」
無邪気にそう言うアオイに、ヤマブキはきょとんとした顔でううん、と首を横に振った。
「え?何で?」
「さっき、ヤマブキさんがサハラさんを格好良いって言っていたので。」
ヤマブキの素っ気ない返答に、あれ?と首をかしげてアオイは確認するように男の方に視線を向けた。
 男も、うん、と頷きながら首を傾げた。
「確かに、格好良いと褒められましたが。もしかしてからかっていますか?」
「ううん。からかってなんかいないわよ。本当に格好良いと思っているもの。」
そう言ってから、ああ、とヤマブキは気が付いたように声を上げた。
「一般論的にあなた、サハラさん?は格好良いと思ったから。だけど、私自身は好みではないわね。」
ばっさりと、そう言い切ったヤマブキに、男、サハラは一瞬目を見開いて、そして次の瞬間、ふっ、と盛大に吹き出した。
「なんですかそれ。褒められているのか貶されているのか分からない。」
顔をくしゃくしゃにしてサハラは、ははは、と笑い声を明るく響かせた。
 あら、そういう風に笑うととっつきにくさが消えて良いわね。と、ヤマブキは飲んでいたコーヒーから顔をあげて微笑んだ。そうやって笑うと、良い意味で精悍さが増して、ゴールデンレトリバーやラブラドールのような大型犬のような愛嬌さもある。
「そういう笑い方をする人は、好みのタイプだわね。」
全く屈託のない調子で、ヤマブキが笑顔でそんな事を言う。その言葉に、サハラは更に楽しげに笑み深くして、おれも好みのタイプですよ。と言った。
「俺もヤマブキさんみたいに屈託のない人は好みのタイプですね。」
はははは。と爆笑しながらそう言うサハラに、そんな笑われて言われても、真実味は無いわね。と顔を顰めた。
「駄目ね、そういうノリでものを言う人は嫌いなタイプ。」
そう言って再びがぶりとトーストにかぶりついたヤマブキに、すみません。とくつくつと笑いながらサハラは謝った。
「確かに今のはちょっと適当に言いました。」
「分かればいいわ。」

「お二人は話が合いそうですね。」
ふふふ、と二人の様子を眺めていたアオイが微笑みながらのんびりと言った。その言葉に、確かに話は合いそうだけれど。とヤマブキは微かに首を傾げた。
あれ?そもそもの話、アオイとサハラと、あの自転車少年の三角関係を妄想していた筈ではなかったか?この流れでは自分もその輪の中に入ってしまう。これでは四角関係じゃないか。

それはまるで昼ドラみたいな展開だし、ちょっと複雑すぎて面白くないわね。

首をかしげながらそんな事を考えていたヤマブキに、まだ笑いを引きずっているサハラが言った。

「ヤマブキさんは、変った方ですね。」
「それ、よく言われるわ。」
サハラの言葉ににやりと笑って、ヤマブキはコーヒーのお代わりをアオイに頼んだ。


――――――
ヤマブキさんは書きやすくて仕方がありません。
私も妄想家だからなのか。

こんなところでなんですが。
二つ目の部屋を手に入れました!今後、実験室として、好き勝手にごちゃごちゃしたいと思います。
まずは、とりあえずアオイさんの部屋にしてみた。

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2011/05/01 20:33
>Mizさん
おおお!テーブルの上、気が付いていただけて嬉しいです~☆
一応、日記の内容と連動させつつ、変えたりしているのです~。
でも面倒な時は、そのまま(笑)

せっかくの仮想空間なんだから、こういう楽しみ方もアリかな。
という感じで、タウンのイベント等を絡ませて勝手に書いていたので、妄想もはなはだしいのですが^_^;
アオイさん目線の街並みを楽しんでいただけて。とても嬉しいです☆

コメント、ありがとうございました!!
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2011/04/29 21:16
うん!うん!
私もアオイさんのお店って藍流サンと同じようなイメージ!!

来るたびにお庭で「雨、降らないのかなー」なんて。
アオイさんのお店の椅子に座ってチワワ相手に勝手に一人でお客さんごっごを楽しんでます(笑)
時々テーブルの上の飲み物や食べ物が少し変わってるのが楽しい♪

アオイさん目線で街を歩くのも楽しいですよ。
ここが"おじさん"のいる宝石を転がすゲームが出来る場所ね…なんてね(笑)
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2011/04/29 21:14
>藍流さん
コメントありがとうございます~☆
ヤマブキさんは猫みたいだなぁ、というのが書いている感想です。
さくさく動き回ってくれるし書きやすいので、楽しいのすが、時々気まぐれな行動をしてくる(笑)

アオイさんとサハラさんは案外同じ種類の人間なので、この二人が並ぶとあまり話が進みません^_^;
特にアオイさんは、サイドストーリーの時に空気になりがちでちょっと面白いです。
書きながら、「違う!君が主人公だから!」と心の中で突っ込んでいます。

読んでいただきありがとうございました!!
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2011/04/29 12:05
ヤマブキさんが入ると、お店の空気が変わりますね。
アオイさんとサハラさんとかだと、しとしと気持ちのいい雨が降る午後の暖かい部屋みたいな、ちょっと外とは隔絶された、でも淋しくはなくて心地いいような、穏やかでゆったりした空気が満ちていると感じるんですけど。
ヤマブキさんが入ると、心地よさはそのままに少しポップになる感じ。
楽しいけど穏やかさは損なわれず、賑やかというのともちょっと違って……不思議で、だけど好きな感じです。
いいなぁ、うちの近所にないかなぁこのお店。

二つ目の部屋、おめでとうございます!
あとでこそりと覗かせてくださいね^^



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