思いきって蔓を登って、天空の街に行ってみた。
蔓に派あちこちにつかまるところも足を引っ掛けるところも沢山あるから登りやすかったし。雲の上は想像以上にしっかりとしていて、ふかふかとなんだか楽しかった。
落っこちるんじゃないか。なんて心配、要らなかったみたい。
空の上なのにキュウリが栽培されていたりもして。
なんだか面白いところだったな。
もっと早くにくればよかった。なんてね、思ったりもしちゃった。

雲の上の大きな扉を、羽の生えたロボットさんが守っていたよ。
花嫁の季節になったら開く。って言っていたのだけど。
花嫁さんの季節って、つまり、６月ってことかな？
来月、扉が開いた先には何が待っているんだろう。
楽しみで、どきどきする。

その前触れなのか、地上の街のあちこちが結婚式場のように飾り付けられていた。
ふわふわと浮かぶ真珠色のバルーンや、サテンのリボンや、可愛い色合いのお花たちが。
どきどきわくわくする気持ちを更に大きくさせてくれる。

そんなウエディングムードに誘われて、ちょっと遠回りをして教会の前を通ったら。
丁度、結婚式がやっていたの。
花嫁さんの可憐な姿に、花婿さんの凛とした姿に。
素敵だなぁ。って足を止めちゃった。
この街の結婚式は、通りすがりのひとでも参加ができるから、私も参列者の列の端っこに並んで拍手してきたよ。

そしたら幸せのおすそ分けだって、お土産も貰っちゃった。
おめでとう。っていったはずなのに、私まで祝福された気分。