おひさしぶり。
ソラは相変わらず元気みたいね。
でも、この時期、ソラは必ず一回は熱を出していたでしょ。大丈夫？また寝込んだりしていない？
そんな事もちょっと懐かしく思い出したりもしました。
でも大丈夫そうだね。ソラも、ソラで頑張っているんだね。

お手紙、ありがとう。筆不精のソラからお手紙が届くなんて吃驚したし、本当に嬉しかったよ。

古本屋さんで働いているなんて吃驚しました。あのソラが！
しかもお手紙の様子だと、ソラ、本を読んでいるみたいで、そのことにも吃驚しました。
毎日泥だらけになるまで外で遊びまわってばかりいた、あのソラが！雨の日でも外に遊びに行こうとして、姉さんたちに叱られていた、あのソラが！本を読んでいるだなんて！
驚きすぎだって、怒るかな。だけど本当に本当に、吃驚したのよ。
そしてちょっと嬉しくもありました。
ほらね、本を読むって楽しいでしょう？
どんな本を読んでいるのか、とか、古本屋さんはどんな雰囲気なのか、とか、訊きたい事は沢山あります。でもそれはいつか今度、会った時に取っておこうと思います。

私のお店では、ヒイ姉さんに習ったお料理を出しています。だからワタリさんは懐かしい味のする、と言ったのだと思うよ。
ソラの言う通り、常連さんもできて、毎日楽しく過ごしています。
そうそう、鈍感なのは自分でも分かっているけれど、なんでまたソラが言うの？よく分からないよ。

ソラ、私、お店頑張ってるよ。居心地が良い、って言われてるよ。ご飯もおいしいって、私が淹れたお茶を飲むとほっとするって褒められたよ。
私もちょっとだけ淋しいよ。
でもすごくさびしくはない。
同じだね。
きっとソラも、私と同じように毎日を楽しんでいるのね。
そう思ったら、また頑張れるよ。

約束だよ。
いつか一緒にあの街へ行こうね。
話したい事は沢山ある気がするけれど、これからもっともっと話したい事を増やすから。
それまで、またね。