大理石の石柱に 刻んだ掌の文字
すくいあげた 掌の
こぼれる水の 清らかなることかな
いちはぜん、ぜんはいち。
塗りたくったガラス絵に なぞり描くトレースの線
割れたガラスの破片が ふと目にとまる
透かしたガラスの 透き通る光は
手に移る 色あいのパステルカラーのよう
絵に合わせた色彩の 木目が語る木枠
透きとおる光は 遠い日の夕暮れ
突きぬける光は ありし日の思い出
ザクセン家の家の壁には
大きな紋章が飾られていた。
交差する両手剣に 獅子と蛇の模様
下には十字の紋と フードリヒ・ザクセンの文字
ルクレツィアは ザクセン家の紋章を眺めていた
遥か昔 大お爺様方が建てたこの家
ノルマンディーと ドイツ諸侯の侵攻に耐えた この地
酒の販売で賑わう 港...