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ヨミビトシラズ


農産物の品目と販路の一長一短(前編)

そんなこと言われても都会に住んで会社にお勤めしている
方にとってはあまりイメージがわかないと思います。

なのでざっとですけど、経営的にどの販路がどういう長所と
短所があるのかについてまとめていきます。
もしこれから脱サラして農業やってみたいとか、農業高校
や農業大学校を出て農業に新規参入したいとか思っている
なら頭の隅にでも置いておくといずれ役に立つかもしれません。
もしかしたら消費者という立場から見ても、今後スーパーや
直売所などで買い物をするときに今までと違った視点で商品を
見れるから面白いかも。


①農協出荷 トマト ナス イチゴ キュウリ 春菊 アスパラ 等
この品目と販路で特徴的なのが、「栽培&収穫期間が長い」
ことと「値決めの権限が農家側にない」こと。
大抵の場合国産の端境期の頃は供給量が少ないので高値が
付きますが、気温等の影響で徐々に値崩れしていきます。
しかし相場価格がどうなろうが出荷はし続けないといけません。
相場が下がったからと言って、すぐに畑をつぶして次の作物
に移行できるほど種苗代も安くないので逃げられませんが、
一度植えたら収入が長期間入るのが長所です。
養豚や養鶏もこっちにカテゴライズできますね。
大抵の場合ハウスが必要なので初期投資はやや多めです。

②農協出荷 ブロッコリー キャベツ レタス等
これは①と違って一度収穫したら終わりなので、取り続ける
ことは基本的にできませんが、相場の動きを先読みして
高値になる時期をピンポイントで狙えば面積あたり①より
少ない人手で確実に高い利益を得られる販路です。
僕もブロッコリーを農協出荷していますが、1コンテナ
Lサイズ15本で3000円を狙える10月初旬~中旬を
狙います。最盛期の11月中旬にもなると相場は1コンテナ
600円台まで下がることもあるので、そうなる前にさっさ
と撤退する「ヒットアンドアウェー」戦法が効率よく稼ぐコツです。
ハウスも要らない露地栽培なので初期投資が安く、新規就農
する人には一番おススメできる確実なヒット狙いの販路でしょう。

③道の駅等の直売所
これをメイン販路にすることは正直あまりお勧めしません。
他の生産者(特に年金もらいながら趣味で畑やってるジジババ)
が原価計算もせず投げ売りしてくることも多く、農家側が値決め
できるという長所がある一方、それ故にその品目の最盛期に
は過酷な値下げ競争がかなりの確率で発生します。
また、包装や値札シールを貼る等の手間で時間を取られて
出荷量が制限されることと、店自体のキャパシティが低く
量を捌けないのがネックです。
ただしカット野菜などの加工場を保有している場合、例えば
キャベツが値崩れしていて一玉100円くらいで売られて
いるなら、自分は1玉80円でダミーを出し、他の生産者が
「自分も80円にしなきゃ!(使命感)」となったところで
自分が出荷した分も含めて買い占めて加工に回し、加工品
の原価を下げるのに利用するという戦法が使えます。
あと、トウモロコシのような品質と鮮度で差をつけやすい品目なら
食品スーパーが1本98円とかで投げ売りしているときに
150円以上の値を付けても飛ぶように売れるので、そう
いう「他と差をつける」技術があればそこそこ稼げます。
まあそれでも売上の上限はせいぜい1000万程度ですが。

続く





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