Nicotto Town


ヨミビトシラズ


総会後の飲み会でモヤっとしたこと


3月は年度末ということで、仕事(農業)関係の総会がいくつかあり、出席(というか
役員なので事務局側なんだけど)する機会が多い時期です。
先日も4市町をまとめた地区の副会長をしている若手農業後継者団体の総会に
出席してきました。

この団体、青少年クラブ協議会(=4Hクラブ)というのですが、来年度から
自分が地区会長を務める立場で、まあ農業版の商工会青年部みたいなもんです。

例年通り今年度の事業・決算報告と来年度の事業計画・予算案、役員人事や
活動方針等の議決をし、新旧役員のあいさつを済ませて滞りなく終えることが
できました。
そのあとはいつもの居酒屋で懇親会…という流れの中で、県の農業振興事務所の
方とかる~くお話しする機会があり、その人は義父とも面識がある方で、義父と
自分の経営戦略について言われたことにちょっとモヤっとしたというか、納得が
いかなかったというか。

そこで言われたのが、義父は(稲作で)大きな面積をこなすという考え方である一方、
僕は面積当たりの収益性を最大化させるという戦略をとろうとしていて、同じ
経営体の中で真逆の考え方が同居しているのが見ていて面白いとのこと。

まあ飲み会の席だし、相手も10歳くらいは年上の人なので「そうなんですね~」
と流したけど、本音を言えば僕はその二つの考え方が真逆だとは思ってない。

規模を拡大することを否定するつもりもないし、むしろできるならした方がいい
と思う。ただ規模を拡大する上で絶対にクリアしなければならない条件が「面積
当たりの収益性の最大化」という考え方をしてるだけ。

農業の規模拡大は農業機械や設備の大型化が必要になる。当然減価償却費が
跳ね上がるので、次の更新に備えて貯めておかなければいけない内部留保も
増えるし人件費だってかかる。そして農地があちこちに散らばっていれば
移動の時間や燃料費も余計に増え、管理が行き届かない部分が出る恐れもある。

だから今の手持ちの面積で生産性を最大にしていないと、面積を拡大しても
品質と収量を落とすだけで売上は伸びず、コスト増と長時間労働に苦しむこと
になり、経営は確実に行き詰ってしまう。

よって農業経営の拡大再生産はまず「高品質・高収量・効率化を追求して利益
を最大化」→「十分な額の内部留保をつくり、人員を確保して規模拡大に投資」
この繰り返しが鉄則になる。規模拡大をすればするほど品質と生産性を高め、
より高く買ってくれる販路を開拓することで「収穫逓減(ていげん)」の法則で
経営を悪化させるリスクを下げる必要がある。
必要なステップを踏まずに規模の大きさでごり押しするのは経営破綻への最短コース。

つまり「面積の拡大」と「面積当たりの利益の追求」は決して相反する考え方
ではないということ。
むしろ「面積当たりの利益の追求」の延長線上に「面積の拡大」があるって感じ。
経営学の「集中するものは拡大する。分散するものは縮小する」という法則
はまさにこれ。ライバルにない強みを持ち、生産性を高めていくと規模の拡大に
自然と行き着くが、規模拡大を焦って前のめりになると採算が悪くなって廃業
に追い込まれる。

今はまだ米麦大豆はそこそこ補助金が出てるけど、少子高齢化で税収が減って、
医療と福祉にかかる費用が増加していったら補助金が今まで通り出る保証なんて
ない。
↑のことをちゃんと考えてない「補助金目当ての面積ごり押し農家」は近い将来
かなり危ないと思う。


でも「面積信者」の多い田舎でこういうこと言うと色々面倒なことになりそう
だから、結局匿名のニコタのブログでしか言えない(笑)

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2019/03/16 17:07
>るき
酒の席であんまり難しい話はしたくないしね。楽しくワイワイやって親睦が深まれば
それでええわ。収益性UPと面積拡大が反対の考え方みたいなこと言われたから内心「?」
ってなっただけ。
アバター
2019/03/14 20:50
酒の席だし、受け流して正解だと思うよ〜!
上司の顔をたてたという形も考えられるね。目の前のゆたちゃんも上司である義父も否定できないでしょ?




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