Nicotto Town


みっちょん恋愛の詩


やがて春も


昼下がりのカフェ
今日は休みをとって
ぼんやりと見つめているのは
外の景色じゃない


行ってしまったあなたの影
雨がその足跡を消して
ただ響くのは靴音だけ
もう手の届かないあなたの行方


誰が悪かったなんて
知る由もないけれど
そんなことはもうどうでもよくて
ただひとりが淋しいだけ


渡せなかった私の心も
宙に浮いたままどこに行こうと言うのか
後を追いかけたかった でも
追えなかった私が悲しい


愛し合っていた二人を
引き裂いて行って
その切れ端が風になびく
春の予感がする風に


もう春なんてらない
だって独り身は寒すぎて
何がぬくもりをくれると言うのか
冬に閉じこもったままの心に


もう少し勇気があったら
まだ二人はいただろうか
ううん そんなことはない
だって運命の神様が決めたこと


そう言って誰かのせいにすることは簡単だけれど
二人歩く道が違っていたのだろう
それに気づかなかった
盲目になっていた


もう会えない
もう追えない
すくんだままの足を引きずって
季節は移ろうばかり




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