Nicotto Town


みっちょん恋愛の詩


満員電車


今日は冷たい雨
傘を持つ手がかじかんで行く
満員電車に
傘をたたんで乗る


雨粒が流れる窓の外
人ごみに倒されないように
しっかり足をつけて立っている
香水の香りがする


そう言えばあの人は
満員電車の中の
香水の香りが苦手だった
息がつまるって言っていた


今頃あなたも
満員電車の中で
会社に向かう
人ごみに押されながら


香水の香りがするかしら
今も息をとめているかしら
私はつけないの
あなたが嫌いだったから


それぞれの満員電車は
駅に止まりながら
目的地に運んでいく
もう線路が違う私たち


心に雨粒が落ちる
もう別れて随分経つのに
まだあなたを窓の外に追いかけて
外を見つめる


会社について
傘をロッカーにしまう
あなたが買ってくれた傘
これだけがあなたのぬくもり




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