Nicotto Town


みっちょん恋愛の詩


夕闇


海岸の小さなホテル
潮の香りを運ぶ風の中
狭いベランダから
海に沈んで行く夕陽を見ている
明るさもやがて薄暗さに代わっていく


隣には誰もいない
話す相手もいない
こんな一人旅の寂しさも
もう慣れたはずなのに
まだ私はあなたを追っている


もう追いつけない身だと知りながら
なぜこんなに切ないのかを
潮風は知っている
体を覆うその風は
思い出に絡みついて行く


なぜなんだろう
なぜあなたはいないんだろう
なぜ一人なんだろう
答えは夕日だけが知っていて
赤くそれを包んで行く


こんな日が来ることを
もしかしたら
分かっていたのかもしれない
そして恐れていたのかもしれない
背を向けていたのかもしれない


出会って
二人を楽しんで
そして別れが来て
黄昏が包んで行って
もう会うことがなくなった


どんなにか愛しても
恐れを抱いたままでは
幸せにはなれなかっただろう
あなたもきっとそれを
心に秘めていたのかもしれない


もう涙もかれた
でも心だけが泣いている
受け入れたはずの想いなら
乾いて行くがいい
でもひび割れは欲しくない


やがて暖かな季節が来たら
この海もにぎわうだろう
でもそれがかえって悲しくて
ここには来ないだろう
足跡も残せないままに


夜闇が迫って来ても
まだここにいる私
あなたに飛んで行けない想いなら
砂浜にうずめよう
そしてそこからそっと立ち去ろう








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