Nicotto Town


みっちょん恋愛の詩


雨降らしの風景


昨日まで心地よく晴れた空が
今日はしとしとと泣いている
雨粒の中にはいつも
きらきした街の明かりが
消えそうに映っている


水たまりもできない
足元のアスファルト
小走りに急ぐ人の群れ
どこに行こうと言うのか
ただ立ちつくして眺めるだけ


傘も持たずに
カフェの屋根で雨宿り
分かっていたはずなのに持たないで来た
分かっていたはずの別れの心を
どこかに落してきたくて


雨降らしはどっちだったんだろう
いつも雨が降っていた気がする
いつしかそれが涙に代わるなんて
思いもせずに
ただ勘違いが過ぎて行った


一人で見る街の風景も
何かしら違って見える
いつも見なれたはずなのに
空虚な時間が流れて
まるでベールをかけたよう


この荷物をどうしよう
思いがけずに持たされた荷物を
どこに送ったらいいのだろう
宛名もない送り先を
知らないでいたままで


もう少しこのままで
雨をそっと眺めていよう
そこには何もないけど
別れの風景しかないけど
もう少し二人の姿を見ていたい




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