林家彦六さん、紹介
- カテゴリ:お笑い
- 2009/02/08 01:05:41
明治二八年五月一六日生まれ、大変律儀な方で、楽屋に通うのも電車の定期券を利用していたんですが、休みの日に電車を利用するときは定期券を使わずに、ちゃんと現金で払って乗っていたという人、また自分の死後も社会に貢献したいという事で、献体(臓器提供や検死解剖など)を申し込んで、・・ですから正蔵さんの御墓はありません! これぞ江戸っ子という型物の人でした。
芝居話の大家で、怪談もの(真景累ヶ淵など有名)が得意でした、私はどちらかと言うと、軽いネタたとえば「ぞろぞろ」「初音の鼓」「五人回し」などのほうが好きです。 「ガマの油」もよかったですね。
三遊亭円生さんと張り合ってた感じが有りますが、評論家の意見では、円生さんが断然人気ですが、くどくど長々な感じの円生さんより、無駄を省いてすっきりさせた正蔵さんの方が一枚上手と感じています。
その頃の落語家なんてものは貧乏人の代表のようなもので、正蔵さんも四軒長屋の一角に住んでいまして、最後の弟子が菊蔵さんです。(今は菊翁) 菊蔵さんの落語には毎回のように正蔵さんの話が出てきます。 それほど面白い師匠だったんでしょうね。
フロの話が格別です。あっついフロが好きで、うめると怒る!一門でフロに行くと、普段から何事も芝居がかっていて
「ただいまより、お風呂をかき回させて頂きます!」ってぇと、町の人もよく知っていて、『ど・う・ぞ・!』
師匠がほんとに形だけかき回すと、「やい!・・入れよ、・・入らねえのか?・・俺がかき回したんでは気にいらねぇのか?」
しぶしぶ弟子が入る、・・あっついですから動けない!
「肩まで入れ!」
『動かないで下さいよ』(弟子は大変)
「ボーとしてないで、ぐるぐるまわれ!」って勝手なこと言ってる。 ちょうどいい頃になると師匠が入る、・・風呂を弟子でうめてたんですね!
とてもハイカラな人で(流行に敏感)当時極めて珍しいコーヒーなどをよく来客にふるまってましたそうで、自分で豆をひきサイホンで入れて飲んでたそうです。
あるとき、知人からキムチ漬けと言う物を差し入れてもらい(当時は全く知られてない)、持って帰っておかみさんに「キムチ漬けだそうだ!」っと言って渡します。
『まぁ~、くっさい!・・なんて臭いんでしょう!・・腐ってるんでは?』っと言って、水でジャブジャブ・・・こうなってはただの白菜!
湯から帰ってきて、「あ~・・今日頂いたキムチを出してくれ。」
『ハイ!』・・・見ると、真っ白な白菜!
「こりゃぁなんだ! 今日頂いたキムチだよ~~~!」
『ですからこれでございます。 洗ったらきれいになったんです。』
漬け込んだ汁がとても辛みがあっておいしいと聞いていた師匠、
「なに!・・洗った!・・・おまえはマーボ豆腐も洗うのか?」
・・・
っとこんな師匠です。
晩年は震えるしゃべり方がとても面白くて大好きな師匠です(笑っちゃあいけないんですが、いるだけで笑える人でした。もっとも私が少学生ぐらいの時ですが)。
ブログ・コメントありがとうございます。
馬場さんは、予々凄い方だと・・・・
改めて、その洞察力に敬服いたしました。
でも、以前の様に接して下さるとありがたいです。。。
生の正にリアル彦六師匠を体験されているとは、
羨ましい限りです(*o*)!!!
ウチは菊蔵さんのヤヤ危ない感じの"物真似"
でしか存知上げません・・・
"キムチ"と"マーボ豆腐"の談、最高です^^!
今後とも、宜しなにお願い致します。☆!!!