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『初音の鼓』解説~本編の前に必ず読んでね

 この話は2通りあります、今日はその短い方をお届けします。どちらかというとこっちの方が珍しのですが、すっきりしてておもろいと感じます。まず前話をしておかないと全く分かりにくいので玉置(たまおき)浩さん(NHKラジオの名人寄席、横浜にぎわい座館長)の解説から、

 壇ノ浦で敗戦し、没落した平家の武者の後日物語、兄頼朝に謀反の疑いをかけられた義経は、京を落ちて行きます時に愛妾静御前(あいしょう、しずかごぜん)が「お伴をしたい」という願いを聞き入れませんでした。

で、後白河法皇から拝領しました初音の鼓を形見に託してまいります。義経は流れ流れて吉野山にたどり着きます。そこへ静御前の身柄を預けてまいりました、忠臣佐藤忠信が訪ねてまいります、すると忠信は静様を預かった覚えはございません、とこう言います。さてこそ忠信は裏切り者、と腹を立てた義経のところへ、「静御前のお伴をして忠信ただいま到着」との知らせが参りました。 つまり二人の忠信がここで鉢合せを致します。 実は静の伴をして参りました忠信は狐でございました。

 その昔、大和の国に日照りが続いたときに雨乞いのために狐の皮を張ったのが初音の鼓、忠信に化けました狐の、父の皮が表、母の皮が裏に張られていた、とこういう事でございます。

父恋し母恋しの一心で静についてきたと、こういうストーリーでございます。義経は鼓を狐に与えました。 狐は義経に味方することを約束して、宙を飛んで姿を消す、というのが「義経千本桜」のあらすじでございます。浄瑠璃や歌舞伎でおなじみの話です。それでは円生さんの初音の鼓、ごゆっくり!(2月22日UP)




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