Nicotto Town



古今亭今助『置いてけ堀』その5

『そのかわり倅が3日にあげず屋台物は届ける、なー! 味噌は持って来る、醤油は届ける、えー、おいらの様な幸せ者は・・まあーそうたんとは有るめぇなー! あー、おいら極楽の暮らしだと思ってるよ!』 「これがなー? 極楽の暮らしか? ものは思いようだなー、ふ~ん?」

『はぁー、おめぇには年寄りの心持がまだ分からねぇだろうなー。 人間の親なんちゅう者は子供の幸せを祈ってるだけだ、夫婦仲が良くって、で、幸せに暮らしてりゃあそれを見たり聞いたりするのが何よりのおいらの楽しみだー。 そんな心持ちはおめぇにはまだ分からねぇだろうなー。』

「んー、分かる様な分からねぇ様な・・あー、有難てぇ、おかげさんですっかり乾いた。 あー、じゃあおばあさん達者でなー!」 『ああ、こっち来たら又寄るといいや!』 「ああ、六さん来たら宜しく言ってくれ! じゃあ!」・・・

「あー、利(き)かん気の婆あだなー、えー! 冬はムジナ、夏はケエル(蛙)の鳴き声を聞きながらたった一人であのあばら家に住まってるんだ。 倅と一緒に暮らしてぇだろうが腹と口とでは大違ぇだ、利かねぇ気の婆だが腹の中じゃあ倅と一緒に暮らしてぇんだろうなー、あれじゃあお袋可哀そうだ・・あそうだ、これから四つ目通るから六さんにそう言ってやろう! “あれじゃあお袋可哀そうじゃあねぇか、一緒に暮らしたらどうだ”って、そう言ってやろう!」

柳の木の下まで参りますと、堀の中から、『ほおっとけ!・・ほおっとけ!』
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玉置さんです!
“もう皆さん故人になってますから、申し上げても宜しいかと思いますが、えー今日登場した五代目さんの先代、四代目の今助さんがまだ三遊亭梅助時代のお話なんで御座いますがね、両国に橘屋という大変お客様の入る寄席が御座いました。 その側に初音寿司というお寿司屋さんが御座います。 ここに何とお子さんが娘さんばっかり6人姉妹! で当時の若手の噺家がもう群がってこの娘さんたちに集中攻撃を致しましたんですね、でその結果として長女がなんとあの黒門町の師匠と言われます、八代目桂文楽さんと駆け落ちをしたそうで御座います。 そして三女が今席の先代、四代目の今助さんと結婚をします。 で末娘がなんと彦六の正蔵さんのおかみさんになっているという、実に珍妙な義兄弟図式というのがこの時代に出来ております。 まあ良き時代を彷彿とさせるお話で御座います。”

まだ沢山紹介したかったのですが一まず半年やったという事でお開きに致します。 長い間有り難う御座いました。

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2009/07/19 02:01
ただいま^^久しぶりに聞きにきました^^
半年、落語書いてくれたんですか?
それは長い間楽しませていただきましてありがとうございました。
また再開なさるときでもありましたら、声かけてくださいね^^



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