Nicotto Town



ひょうきん小僧とお爺さん その1


 辺り一面稲穂が実り、もうそろそろ稲刈りと言うとある田舎の田園のはずれに鄙びた一軒家が有った。  六十半ば過ぎの白髪に白く長い髭を生やした人品のいいお爺さんが一人で住んでいた。 小間物屋を倅(せがれ)に任して楽隠居してるのである。 このお爺さん日頃の食糧など一切を近くの雑貨屋に頼んで届けて貰う事に...

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古今亭今助『置いてけ堀』その5

『そのかわり倅が3日にあげず屋台物は届ける、なー! 味噌は持って来る、醤油は届ける、えー、おいらの様な幸せ者は・・まあーそうたんとは有るめぇなー! あー、おいら極楽の暮らしだと思ってるよ!』 「これがなー? 極楽の暮らしか? ものは思いようだなー、ふ~ん?」

『はぁー、おめぇには年寄りの心持が...

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古今亭今助『置いてけ堀』その4

「何だってそんなー・・悪いいたずらしたんだい?」 『いやいたずらするつもりは無かったんだがなー、え、釣り師が来て水を一杯飲ましてくれとかお茶を御馳走してくれとか言いながら、幾ら鮒釣ったって半分置いてくもんなんてぇ奴は一人も居ねぇ、“ここらの奴はしみったれだ、ケチだしみったれだ、たまにはこの婆のとこへ...

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古今亭今助『置いてけ堀』その3

「何を言ってやんでぃ! 俺は何だ、今度じゃあ仕事で埋め合わせをするから連れてってくれ、よお! 場所を教えてもらえばそれでいいんだ。」 『じゃおりゃ場所教えるだけだぜ、すぐ俺は引っ返して来るぜ!』 「ああいいとも!」 『んじゃあ出かけよう!』 「出かけよう!」・・・

『おおっと兄い、兄い、違う違...

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古今亭今助『置いてけ堀』その2

「あら源さんどうして?」 『ありがとう度々。』 「まだ熱が下がらないの? もう4日目だというのに!」 『夕べなんかねー、うなされてうわごと言ってんのさー!』 「そぉ~!」 『うーうーうなってて、“置いてけ、置いてけ!”、暫くたつとまたうーうーうなって“置いてけ、置いてけ!”、薄気味悪くなったからねー...

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