―学校―　イジメが消えた日

　何気に「イジメ」が無効になってしまった事がありました。
　学校イコールいじめって容易に思い浮かべてしまいますけど、失くなってしまった・・・とも・・・

　私は小学校に通うようになって、2年まで毎日毎日イジメに遭ってて、泣かされて帰って来て、家では「また泣いたね、男のくせに・・・うんたら」と言われて、おばあちゃんに泣かされ、学校に行くのも苦痛で日々悶々と過ごしていました。
　簡単な話、軟弱にみえるってのが主原因だったとは思いますけど、言葉も変だし体も小さかったし弱弱しかったので、こいつには勝てると、ちょっとした弾みでいじめられｯ子になりそうな子供たちの共通した標的だったと思います。
　コイツをイジメて置けば、自分にイジメの矛先が向かない・・・みたいな感じ・・ですか。
　友達が一人もいないってのもあって、ごずかれて段々エスカレートしてきて、集団リンチみたいになってゆくんですね。
　で、小１の時に「全国ぺんんてる児童絵画コンクール」っていうのがあって、学校の周りで写生したクレヨン画をそのまま全員のを出品した時に、何故か俺んだけナントカ賞を貰って、賞状やバッジや立派な３６色のクレヨンセットを貰ったのも災いして・・・
　これをキッカケに、この後中３まで。図画工作・美術は全部通知書５だったんですが、イジメもこれをキッカケに暴力を伴うものに変っていったし、クレヨンセットは盗まれて、粉々になって後日校庭の草むらで見つかって・・・
　唯一の救いは部活・・・入学してすぐにサッカー部に入ってたんですけど、当然低学年は戦力外で、一緒に走って柔軟やって２人組みでパスの練習の後は”玉拾い”・・・部室の掃除とボール磨き、練習の準備。で”玉拾い。これが唯一心穏やかに過ごせるひと時だったんですが、待ち伏せもあってさぁ・・…(´；ω；`)ｳｳｯ…
そんな中で、小３になってクラス換えがあって、俺らのクラスは新しい先生が転入してくるという話だったんです。

　その新しい先生は、なんつうか・・・鬼瓦のような先生で、雲を突く大男で、黒い丸メガネで、果てしなく角刈りに近い七三で、非常に恐そう・・・っつうか恐い先生でした。
　最初の朝礼の後、ハンカチとティッシュと爪は伸びてないかの検査をして、持っていない子や爪の伸びてる子は”ビンタ”なんです。
それは、左手で片方のほっぺを捻じり上げ、右手でビンタ、爪の伸びてる子はその場で先生が自分の手と爪を使って子供の爪をむしり取って短くしてくれる・・・あのゴッツイ手でビンタされた日にゃ・・・どんな子も生理的に涙が出てしまう・・・泣いちゃうんです。爪を力任せに毟り切られると、やっぱり痛いし、女の子は泣いてしまう。
　で、ハンカチとティッシュ両方だと、往復ビンタ・・・。
　授業中寝てると、脳天にゲンコ・・・これはハンパなく痛いっすよ。鼻にツーンと来るっつうか・・・幼子の時のような気持になって訳分かんなくなっちゃう・・・最初女の子だと、何時間もしゃくり上げて泣いてるくらいです。
　完全に眠ってなくても、うつらうつらしてても、ゲンコ・・・起きるけどさぁ（；∀；）
　教科書とか笛とか筆記用具忘れてくれば、ビンタ。ムダ話、宿題忘れは、ゲンコ。
　なので、みんなの注意力が、如何に一日ビンタ・ゲンコされずに過ごせるかに向いていて、イジメまで余裕がない・・・つうか、私のように忘れ物が多い子は、あきらめて今日何発ビンタされて何発ゲンコ食らったかを、毎日ノートに正の字で記入してましたよ。意味も無く・・・
　放課後、喧嘩みたいになってると、理由は関係なく双方共どんだけビンタ・ゲンコ食らうか・・・先生の気が済むまで怒られ、ハタかれるんで、ウチのクラスでは学校の中で完全にイジメは失くなりました。みんな自己防衛のため、連帯感とか被害者同士の思いやりさえ出来て、それなりに仲良くなっていました。
　女の子たちは、さすがに苦痛らしくて、全員で職員室へ抗議に行って、ゲンコと爪むしりは免除っていう事を取り付けたり、男は庇い合うようになったりして、それなりに平和な日々を過ごしました。
　私は、５年生の時のクラス換え以降もこの○林先生で、イケテない子が周りに集まって来て･･･
不本意ですが、
”イケてないグループ”のリーダー的な存在になってしまって･･･（；∀；）ｱﾊﾊ

　小学校の時は、イケテない王子だったっすね(｡◕ฺˇε ˇ◕ฺ｡）ﾁｪｯ!!