私は気が付いたら、自分とずっと会話をしている事に気付いたんですよ。

　いつ･･･とは無しに。頭の中で気楽に、しっかりと日本語で。

　ここにいる自分が、もう一人の自分に一方的に話しかけているんですね。で、私の話を聞いている「私」は、ただ聞いているだけ･･･その存在は、光かとも想っていたんですが、闇とも思えるし、その両方かも･･･しかしながら、完全に疑う余地なく「私」なんです。

　ただ、同じものを見て、私の話を聞く「私」･･････

　これによって、小説やコラムみたいなモノは、何ページかは、書かなくても、文章を作れるとか･･･また、絵画なら、完成した絵を先に作ってしまえる様になったんですけど･･･大した恩恵など･･･無いに等しいんですが。

　外界に気が向いてる時や、他者と会話している時などは、「私」とは、話していないし、この「私」の位置は、この肉体を持った自分とは。圧倒的に遠い位置にあるような感じがするんですよ。または、自分自身の中の無限に遠い中心点に感じるとか･･････。

　で、これに似た事を解説しているモノって、心理学とかではあるとは思うけど、なんかニュアンスが違うなぁ･･･と。そんな時に、また、ヴェーダの中に見つけたのが、コレです。

　インドの古代ヒンドゥー教の聖典「ヴェーダ」の中に”ウパニシャド”と言う物語・叙情詩があって、その中に、伝説の樹の中に住む２羽の鳥の伝承が綴られています。

　１羽の鳥はｍその樹に生る実を一生懸命に食べている。

　もう１羽の鳥は、樹の実には目もくれず、実を食べている鳥を、只、見つめている。

　食べる鳥と、見つめる鳥･･････ここで物語りは、一つの問いかけをする。

　この２羽の鳥のうち、どちらの眼差しに変容が訪れるかと言う問いかけです。

　前もこの人の詩をブログに書いた事がありますが、第２次大戦下、ナチスに弾圧され、３４歳で賀詞同然に亡くなったフランスの女流思想家ｼﾓｰﾇ・ヴェイユは、この古代の逸話を受けて、こう言ったとされています。

　――――＾この地上にあって、食べることと見つめることは、別である。どちらかを選ばなければならない。どちらもが、愛の対称と呼ばれている。ただ、時々食べるかわりに。しばらくでも、じっと見つめていられる人々にだけ、いくらかでも救いの希望がある。一人は果実を食べ、もう一人はそれを見つめている。魂の中の永遠の部分は、飢えを糧として生きる。――――

　我々人間は、間違いなく：果実を食べる鳥：であり、見つめる鳥とはヴェイユの言う：魂の中の永遠の部分：に他ならない。

　この意識を、心理学で、理想自我とか客観意識と呼ばれるものと、ほぼ同意だと思う。魔術師が召還する守護霊とは、この見つめる鳥の事でしか無いのでは、と感じたりもします。

　一生懸命食べる鳥とは、悩み苦しみ、時には歓喜に震るえ、命が尽きるまでいろいろな情報を吸収する我々人間そのものであり、

普遍の主体として、食べる鳥の経験や意識状態を糧として、より強靭により善きものに変容を遂げてゆく見つめる鳥。

　ただ、残念ながら”ウパニシャド”には、この続きが無いんです。

　このもう一人の「私」を、おぼろげでも捉える事は、それ程難しくないと思います。私でも捉えているのだから。

　この普遍の主体としての「私」が＜正＞であり、今ここにいる肉体を持った私が＜反＞である事は、普遍性という意味で間違いないと思う。

　今ここにいる自分の位置と、見つめる鳥に例えた「私」の位置、これが、時空を等化する鍵になっていると思うけど･･･気違い扱いされるのも嫌だしなぁ･･･(。-ˇ.ˇ-。)ん～？

　止めておきます。(逃げたぁ･･ ヽ(ﾟДﾟ;)ﾉ!!)

　次回は、無難に、アイン・シュタインも相対性理論から入って行きたいと思います。

　私と、同じような感覚を、抱いた人もいるかと思い･･･呼びかけたつもりですけど。

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　　　　　　((【･:*:･終わり･:*:･】))