Nicotto Town


三蔵外伝「太陽の破片」


臨死体験 其の壱 R-18

臨死体験 其の壱 R-18

 臨死体験とは言うものの、眠って夢を見ているのと基本的に同じ状況だと思うのです。
 また、臨死体験を語る人の定番で。川の向こうに亡き祖母が「こっちに来てはいけない。帰りなさい」とか・・・三途の川?ご先祖様・・・不思議体験での定番です。
 私はそのようなものは一切見ませんでした。
 始めの方に見た光景や、苦痛は、私の恐怖が作り出した妄想・悪夢、そのたぐいだと思います。
 そこが、通過儀礼になってるのでは、と、今考えると思えて来るんですよ。
 2週間くらい意識が戻らなかった時に見た夢?ビジョンについて、書いてみます。
 冒頭は、心停止に至る過程が、リアルで刺激が超強いと思われます。心臓の弱い方は、読まない方がいいと思います。
   大丈夫なお方は、下記へ。

 以前も書きましたが、単車で事故って、右ヒザを粉砕骨折した時。
 手術は、無事終って、まだおしっこの管も取れてない意識が朦朧としていた時の事で。ずっと風邪気味だったこともあり、鼻をかみたいとか、痰を出したいとか色々不快に思っていた時、右腕も三角巾で吊られていて。左手は手首の辺りかどこか骨折しているらしく、手首も指も添え木で固定された状態だったので、鼻 もかめそうにないし、痰を出してティッシュで取るのも、どうやったらイイんだろう・・・と。
 誰かが来るのを夢うつつで、待っていたんです・・・が、来ない・・・
  と、咳き込んでむせたら、仰向けにベッドに寝てたのが災いして、痰が気管に詰まった・・・あれっ・・・マズイぞ!・・・と。で、咳き込んで出そうと試みる も、出ない!

 息が、少しでも吸えるかどうか試してみたら、完璧に吸えない・・・・・・苦しくなってきた・・・(ナースコールのボタンはどこ?)・・。あっ腹の上 に!で、押した・・・
 けど・・・来ない!・・・もう息が続かない・・・死ぬんだナァ・・・スッゴイ苦しい・・・次第に視野が狭くなってくる・・・もう断末魔の如き苦しみ(ここ だぁ!父も母もこれを乗り越えて死んだんだ。俺も超えてみせる)・・・もう苦しいんだかなんだか、苦しいけど息が出来てる様な??
    ・・・ぼんやりした画像、上から見てるようなアングル・・・
 ・・・あっ来た来た。・・・ゲッ!喉の下を切った・・・チューブ突っ込んでる、死ぬってば!!
 えっ!これ、電気ショックでは?・・・あぁぁ・・心臓止まるってば・・・あぁ、またぁぁぁ
     ・・・・・・プツッ・・・・・・

 気が付いたら、かなり巨大きな樹の枝に、裸でしがみ付いていました。
 その巨大な樹は上下逆さまに生えていて、その大きさは幹の向こうなど見えない程の想像を絶するものでした。
 幾千万という人間が無数に広がっている枝に、私と同じ様に裸でしがみ付いている。
 なにやら燃えているような、薄明るい炎の反射光を感じる。人は皆、影のように見える。
 ・・・やがて力尽きた人は、恐怖の叫びを上げながら、落ちてゆく。
 落ちてゆく先は、虚空に開いた底知れぬ巨大な黒い穴。
 いくら頑張ってしがみ付いても、限度のないその状態を恐れ、喚きながら何人も落ちて行くのを見る。 疲れて萎えてきた腕と足を離して、穴に落ちていって 消えて無くなってしまえればどんなに楽だろうか、その思いが常に付きまとうが、底知れぬ虚空の穴が恐くて手足を枝から離せない。
 思った。これは審判なんだと。神や御仏に見離された者達、罪の重さにここまで落ちて来た者達への。 どうすれば・・・。どうにも出来ない。永遠にしがみ付いている事など出来ない。
 落ちるのが恐い。諦めて力を抜く事が恐い。いつまで、いったいいつまで、しがみ付いていればいいのか・・・

      ((【・:*:・つづく・:*:・】))






Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.