Nicotto Town


三蔵外伝「太陽の破片」


故人の死生に、生き方の道標を見る。

 こういうブログは、ニコットさんで好まれないのは承知ですが、あえて。書きます。

 私のような凡人にとって、人の在り方を教えてくれるのは、違う時代に生きて死んでいった史書に残る人達の生き死にだと思っています。*自分は特別だ。と、思ってる人には有効に作用しない・・・興味も無いとは思いますけど。

 まず、身の処し方がが、素晴らしいと思う人は、紀元前800年代に生きた。燕の上将軍「楽穀("がっき"なんですがき"が変換出来ません。似た漢字です)」です。
 三国志の有名な軍師・孔明にして、楽穀の如く在りたいと言わしめて人物です。
 彼は、当時「中山」という国の将軍だったが、中山という国は他国に比べて小さく、趙と斉という大国、さらに燕という国に挟まれ、趙と斉という大国の均衡の中で存立している微妙な立場の小国の将軍でした。
 やがて、趙に滅ぼされてしまうのですが、中山の主父が降伏するまで、徹底抗戦をして、王が降伏をしたのを知ると、静かに砦から撤退、家来と共に消えてしまう。
 後に燕の昭王に請われて配下になり、やがて上将軍(全軍指揮官)になり、当時秦帝国と並び中華を東西に2分していた東側の大国・斉の国の72城を陥落させ、燕王の宿願・斉への復讐を果たし、無名の楽穀の雷名は中華を震撼させたという人物でした。
 楽穀は、若い頃、斉の首都リンシ(地名変換出来ず)で、孫氏の兵法を学び、中山滅亡後、魏の国で法学を学び、斉の国の宰相東陽君を尊敬していた。斉の東陽君は優れた人物で、秦の侵攻を打ち砕き、宋を打ち平らげ内政外交に長じ、国内外に声望が高かった為、斉王に疎まれ国を追われて、魏に亡命して来た。
 楽穀が魏に居る事を知り、呼び寄せて、斉・秦の2大国の連衡を阻みその他の国が生き延びる為、他の六国の連衡を説き、楽穀を使者として、最北の国"燕"に同盟を求めた。
 しかし、燕王は、無抵抗の父王や住民が斉に殺され、燕の国が斉に従属する形を取ってはいるものの、斉への復讐を片時も忘れていなかった。だが、北方の辺境の小国"燕"は単独で斉と戦端を開くのは不可能で、中山滅亡時より楽穀を「千里の馬」と想い敬い、彼を手に入れなければ自分の宿願は水泡に帰すと、楽穀の来訪を、この世の誰よりも待ち望んでいた。
 その為、燕王は楽穀に国に残ってもらう様に説き、楽穀もまた、これほど慕っている燕王を補佐したくなり、魏に残っている妻子を質にして、同盟の使者の副使を正使に任命して、燕王に仕える事となった。
 楽穀の優れたところは、卓抜した戦略や武力だけではなく、何年も積み重ねてゆく謀略で、六国の連衡を作り、斉を孤立させるための布石です。
 燕の国を誰も意識していないが故に、斉王に燕の国を必要以上に矮小で無力に見せて、従順な属国と思わせる事に、斉滅亡のその時まで、燕を侮るらせて置く事に成功している。、
 また、たとえ斉以外の国が総て連衡しても、燕自身が主導でなければ燕王の宿願を達成出来ないため、趙・魏などの同盟のため、秦により奪われたかれらの領国の邑を、燕の楽穀の軍が奪回して両国に進呈し、一利も得ず速やかに帰国したりして、他国の信頼と楽穀率いる燕軍の強さを知らしめ、あらゆる布石を少しずつ巧みに積上げ、斉を包囲する形に持っていく忍耐力です。
 また、その時至れば、なんの躊躇もなく突き進む果断さ。巨大な斉という帝国を手中に収めても、周りのの甘言に惑わされて、王になる事を頑なに拒み、常に燕王の臣として、斉の首都リンシを燕王の為に空けて置いて、彼自身は燕と連絡が取り易い相国というところに居て、斉の鎮撫に当たっている。その「忠」たる心です。
 主人より功があるのは、不吉の始まり也と、言ってる様であり、
 武力あれど謀なくば、勝敗は1勝1敗するとも、言ってる様であり、(これは孫氏の兵法ですね)
 忠たる心なくば、百功、水泡に帰す。とも、言ってる様であり、
 やはり、一番心に響いたのは、
 「多大なる勝利とは、相手の難に付け込む事にあらず、自身の難を利とする事にある」
 これかなぁ・・・
 この手の話は、私無限に書ける事に改めて気付きました。迷惑なヤツですね。
 次は、覇王項羽と劉邦かな・・・機会があったら。
 説教臭くなったかなぁ・・・自分にもイイ薬です。許してね^^

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2009/01/07 00:12
滅ぼし滅ぼされという時代に生きることはまさに命がけと思います。
現代のように電話も伝達手段も整っていないのに、状況を把握する能力とか・・想像できないなぁ
なにか人より超えたものをもってる感じですね。
それに中国ってすごく寒いじゃないですか、大陸の自然の厳しさにも耐えて、昔の人ってすごいな。
三蔵さんは中国史に詳しいんですか?




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