我々日本人に最も馴染み深い、愛されている御仏は「観音菩薩」ですよね。疑いなく！！
　でも、この神格は謎に包まれた存在だと思いませんか？
　　　　　(｡･ˇ_ˇ･｡)ﾑｩ…
　呼称だけでも、観音菩薩･観世音菩薩･観自在菩薩･聖観音･･･さらに千手観音･馬頭観音･准鄭観音･久世観音･･･様々在ります。
　観音菩薩とは、どういう神格なのか･･･を、考察してみました。

　まず、名前が奇妙ですよね。音は聞くもので観るものではないし、一般に仏教では男性神と捉えられているけど、女性神のイメージが強いですよね。赤子に授乳する慈母観音や、キリシタンのアリア観音など完全に女性神のイメージです。
　観音の原名は　アヴァローキティーシュヴァラ　で。
　アヴァ「遍く」＋ロキタ「観る」＋イーシュヴァラ「自在者」の合成語で「観自在」と訳されるのが通説ですが、東アジア出土の原本には、アヴァローキタ・スバラとなっており、スバラは「音」の意で、当時の翻訳僧は「観音」と訳していた。
　このアヴァローキタ・スバラを、観自在と始めて訳したのが、玄奘三蔵で、それ以後、観音と観自在は混同され、現在に至っている訳です。

　観音の起源はインドではなく、イラン･古代ペルシャの「水の女神アナーヒター」だと言う説があり、ゾロアスター教の聖典「アヴェスター」には、アナーヒ ターを称える長文の賛歌が載せられていて、古代オリエントの大地母神信仰に繫がり、メソポタミアのイシュタル、エジプトのイシスにも多くの共通項が見て取れ、観音菩薩の特質の水瓶を手にしたものさえある･･･
　どうやら、観音は女性起源らしいが、イーシュヴァラは、インドのヒンドゥー教の最高神シヴァの別名でもあり、時には恐ろしい姿も見せる男性神で、観音菩薩の変化身の馬頭観音などは憤怒の面立ちの男性神にしか見えないし、十一面観音はシヴァ神の面影が見て取れます。
　それでも観音のイラン起源説は、インド起源説より分がある。
　それは、観音の救世主的な性格にあり、法隆寺の久世観音などにその性格が顕著に現れていると思えます。
　救世主と言えば、キリスト教のイエスですが、その原型はゾロアスター教の「サオシャント」と、呼ばれるもので、終末に降臨して善と悪との最終戦争に勝利して、地球と人類を救う者を指して言うんですが。
　このメシア信仰は、オリエント世界に広まり中央アジアを経て、東アジア、インドに広まった。弥勒信仰もその一つで、弥勒の原型は、古代イランのゾロアスター教のミトラ(ミトラス･ミスラ)で、阿修羅王の原型･至高神「アフラ･マズダー」との双神だとも言われている神格です。アフラ･マズダーが根源神･男性神なら、女性的な捉え方だったかも知れません。このミトラとアナーヒターは非常に密接な関係にあり、ギリシャでは同一神とみられていました。このミトラの特徴の一つが「千手千眼」で、これこそ、観音を象徴した言葉ですよね。そしてこれが、一切衆生を救うと説かれる千手千眼観音の原型になってるんです。

アヴァローキタ･スバラ･･･遍く観る音･･･観るから、以前書いたインドのヴェーダの聖典の「ウバニッシャドの見つめる鳥」を想い出してしまうし、ウォッチャーとは天使の別名に他ならない･･無限の時を巡礼して、ただその一瞬を見る為に羽ばたき、生きていく強い意志。音は言葉であり、各々を指し示す名前であり、空気の振動･･･この地球の大気圏･地表の世界を言っているのでは？観るは、心で感じる事でもあり、美しい地球、人間の生と死･･････人によって感じ方の違う世界･･･でも、誰一人余さずに一切衆生･･･自分だけは救われたいと願う５０億の人間･･･救われたいと願う人々の願いの化身が「観自在菩薩」なのではないだろうか。

こう考えると、あらゆる宗教には、明らかに同じ事を言い表しているように思えるんですよ。たぶん前次元･･･ノアの洪水(これも、隠喩ですね。大厄災とか次元変換かも)の前の世界の記憶･･･何千年もの月日の為に本来の意味を、ほとんど失っている･･･または、為政者の為に都合よく曲げられた経典･･･しかし、真実の香りが残っているモノ･･･とも言えると思います。

だから、私は個人的に魅力を感じているんですよ。

只それだけです。なんの力も無く、目の前に起こる事を、観ているだけ。

人は、観たいものしか見えないと思う。だから、水の女神アナーヒターは観自在菩薩になったんだ。そう思います。┏o　ﾍﾟｺﾘ

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