Nicotto Town


ジュンチャン


ブラジルの笑い話 その24 隣同士  


アルゼンチン人とチリ人が隣同士の家に住んでいた。アルゼンチン人は
雌鶏を飼っていて、雌鶏が庭で産んだ卵を拾って朝食にしていた。
ある朝、雌鶏がチリ人の庭で卵を産んだ。アルゼンチン人が卵を拾う前に
チリ人が卵を拾ってしまった。アルゼンチン人が卵を返せと要求しても
チリ人は応じなかった。
「その卵を返せ。その卵は私の鶏が産んだのだから、私のものだ」
「いや、この卵は私のものだ。なぜなら私の庭で産んだのだから」
頑として卵を返さないチリ人に、アルゼンチン人はある提案をした。
「私の国では先祖代々、このような諍いに、ある方法で決着を付けてきた。まず私が君を殴り倒す。そして君が起き上がるまでの時間を計るのだ。次に君が私を殴り倒す。そして私が起き上がるまでの時間を計るのだ。起き上がるまでの時間が短かった方が勝ちだ」
「いいだろう、おもしろい」
チリ人はアルゼンチン人の提案を受け入れた。まず、アルゼンチン人が
チリ人の顎に強烈なパンチを見舞った。チリ人は庭に仰向けに倒れ、
5分ほど失神したが、やがて起き上がって言った。
「よし、今度は俺の番だ。覚悟しろ!」
するとアルゼンチン人は微笑んで言った。
「いや、私は降参するよ。卵は取っておきたまえ」




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