Nicotto Town


ジュンチャン


ブラジルの笑い話 その41 一度だけ


サンパウロにある高級レストランに身なりのよい紳士がやって来た。バーの席に腰を掛けると、バーテンがやって来て尋ねた。

「何をお持ちしましょう?」
紳士は答えた。「何もいらないんだ。一度だけ酒を飲んでみたが、好きではなかった。それ以来、飲んでいないんだ」

バーテンはちょっと戸惑ったが、煙草を取り出すと一本勧めた。
紳士は、こう言って断った。「一度だけ煙草を試したことはあるのだが、気に入らなかった。それ以来吸ったことがないんだ。 

わたしがここにこうしているのは、アルゼンチンから来る息子と久しぶりに会うためだよ」
バーテンがやり返した。「勿論、一人っ子なんでしょうね」




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