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ジュンチャン


ジュンチャンと世界を巡る 第97回はマグレブ


 ジュンチャンと世界を巡るは、今回からアフリカとなりますが、ここではアフリカを、北アフリカ、西アフリカ、中部アフリカ、東アフリカ、南部アフリカに分け、まず北アフリカから紹介します。

 北アフリカには、アルジェリア 、エジプト 、リビア 、モロッコ 、スーダン 、チュニジアの国々がありますが、この中からまず、マグリブ(英語ではマグレブと言い、日本語でもマグレブが頻繁に用いられるので、ここからはマグレブとする。)諸国を紹介します。

 マグレブは、マシュリク(日の昇るところ、アラビア半島、シリア(現在のシリアより広い概念でパレスチナなども含む)、イラクなどイスラームの中心地域)に対して、西方の日の没するところを原義とする語で、地域的にはモロッコ、アルジェリア、チュニジアのサハラ砂漠の北の3か国のことで、このブログではこれにモーリタリアとリビアを加えて5か国とします。

 マグレブはイスラム教とともにアラブ人が入ってくるまでは、ベルベル人の居住する地域でした。

 ベルベル人は、北アフリカ(マグレブ)の広い地域に古くから住み、アフロ・アジア語族のベルベル諸語を母語とする人々の総称で、北アフリカ諸国でアラブ人が多数を占めるようになった現在も一定の人口をもち、文化的な独自性を維持する先住民族です。

 形質的には、元来はコーカソイドだったと考えられますが、トゥアレグ族など混血により一部ネグロイド化した部族も見られ、宗教はイスラム教を信じています。

 また、ベルベル人という名称はローマ人による蔑称で、ベルベルの呼称はギリシャ語で「わけのわからない言葉を話す者」を意味するバルバロイに由来し、ヨーロッパの諸言語でBerberと表記されています。


 イベリア半島には後ウマイヤ朝が756年から11世紀中頃まで存続し、マグリブ地方ではバグダードのアッバース朝の支配から独立した地方政権が早くから成立しました。

 ハワーリジュ派のルスタム朝(アルジェリア、777~909)、シーア派のイドリース朝(モロッコのフェス、789~926)、アッバース朝の宗主権を認めたアグラブ朝(カイラワーン、800~909)などです。

 これらのマグリブ諸王朝は、10世紀の初め、チュニジアに興ったファーティマ朝によって滅ぼされましたが、ファーティマ朝がエジプトに移ってからは、1056年にモロッコに興ったムラービト朝に統一されるまで、ベルベル人のイスラーム王朝がいくつか分立していました。

 ムラービト朝はイベリア半島(アンダルス)にも進出し、1146年にムワッヒド朝に交替し、13世紀にムワッヒド朝が滅亡してからは再びイスラーム王朝の分立に戻り、モロッコのマリーン朝、アルジェリアのザイヤーン朝、チュニジアのハフス朝などが起こったのです。

 16世紀には、チュニジア・アルジェリアはオスマン帝国に征服されましたが、モロッコだけはその領域に入らず、サード朝が存続しました。


 マグレブは地理的にイベリア半島と近く、歴史的にも文化的にも濃厚な交流があり、中でもムーア人は大活躍しました。

 ムーア人はアフリカ北西部に住むイスラム教徒で、8世紀にイベリア半島を侵略し、そこに定着したベルベル人とアラブ人の混合民族です。

 彼らが当時のモーリタニア地方からきたことから、ラテン語でマウリMauri、スペイン語でモロスMoros、英語・オランダ語ではムーアとよばれました。

 今日ではムーア人といえばモロッコ、モーリタニア(フランス語でムーア人の国の意)などアフリカ北西部に住み、イスラム教徒でアラビア語を話す人々全体をさすのですが、ムーア人が人口の8割を占めるモーリタニア国民をさすこともあるのです。

 ムーア人が黒人だという観念は、シェークスピアの戯曲「オセロ」によって誤って広められたもので、ムーア人は人種的にはコーカソイドの地中海集団に属し、ムーア人の多くはサハラ砂漠を基盤に遊牧生活を送っており、コブウシ、ヒツジ、ヤギ、ラクダなどの家畜の飼育と交易が生業の中心です。

 マグレブの食文化も有名で、代表的な食べ物にクスクスとバスティラとタジン鍋があります。

 主にクミン、ターメリック、サフラン、シナモンなどの香辛料を用い、味付けは香り高くマイルドですが、チュニジアではハリッサという唐辛子のペーストもよく使われます。

 イスラム教の教義に従って豚肉を食べることはまずなく、イスラム教では酒を飲むことが禁止されているが、宗主国であったフランスの影響で、ロゼワインを多く産出します。

 ノンアルコール飲料の中では、ミントと砂糖を入れた緑茶はとても人気があり、モロッコ料理は特に美食です。


 次回から北アフリカのマグレブ諸国を個別に紹介します。

 引き続き気楽に遊びに来てください。( ^)o(^ )


 

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2022/06/11 06:51
イスラム教は商人の宗教で、イスラムの商人たちはラクダだけでなく船も使って、アフリカ、ヨーロッパ、アジアの三大陸を結びつけたシステムを建設したのですが、イスラム文明は世界史的には近代文明の序曲のような役割を果たしています。
もともと感覚が商人なので、儲からないものはしませんが、身体にいい酒は彼らでも止められないようです( ^)o(^ )
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2022/06/10 13:52
イスラム教の禁酒はいくらでも抜け道があるらしいですね☆



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