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ジュンチャン


ジュンチャン世界を巡る 第119回はマダガスカル


 マダガスカルはアフリカ大陸の南東海岸部から沖へ約400キロメートル離れた西インド洋にあるマダガスカル島および周辺の島々からなる島国で、首都はアンタナナリボです。

 マダガスカル島は日本の国土面積の約1.6倍の広さを持つ世界で4番目に大きな島で、先史時代にゴンドワナ超大陸の分裂に伴いアフリカ大陸から分かれ、さらにその後の8800万年前ごろにインド亜大陸とも分離して形成されました。

 他の大陸と生物種の往来が少ない孤立した状態が長く保たれたため、島内の生態系を構成する各生物種が独特の進化を遂げ、21世紀現在でも野生生物種の90パーセント以上が固有種という、生物多様性にとって重要な場所ですが、かようにユニークな生態系が特に20世紀に入って以降、急速な人口増加と無秩序な開発に伴う環境破壊により失われ始め、21世紀現在も深刻な危機に直面しています。

 歴史ですが、マダガスカルに人類がいつごろから定住し始めたかという問題については不明な点が多く、マダガスカル島は地球上にある主要な陸塊の中で、人類が最後に定住するようになった場所である可能性があるのです。

 最も古い住居跡はアンツィラナナ近くの洞窟にあり、ここで採取された炭は放射性炭素年代測定により西暦420年ごろのものと判明しましたが、ここに住んだ人々が定住するに至ったかどうかまでは明らかではなく、人骨の出土はなく出土遺物からも漂流者の一時的避難場所であったことが示唆されています。

 マダガスカルの最初の住人は、アウトリガーカヌーの存在や言語学の研究から、東南アジア島嶼(とうしょ)部から渡ってきたことは確実視されていましたが、2005年に発表されたマシュー・ハールスによるDNA研究により、1世紀前後、ボルネオ島から航海カヌーでインド洋を横断してマダガスカルに移り住んだことがほぼ確実視されるようになり、その後アフリカ大陸東部から渡ってきた人々とボルネオ系(マレー・ポリネシア系)の人々は混血し、ヨーロッパ人到達以前にそのDNA上の比率は半々になっていたと考えられます。(ちゅんさん)

 ボルネオの人々は直接マダガスカル島まで航海した可能性が強く、この2つの島の間は4,500海里(8,300km)も離れていますが、常に貿易風が追い風となる航海であるため、当時の東南アジア島嶼部の海民の技術レベルならば充分に現実的な航海で、ボルネオ島からジャワ海を渡ってジャワ島からマダガスカル島まで6,000kmなので、平均時速5ノットで帆走出来れば30日弱で到達することができるのです。    

 文献にマダガスカルの存在が初めて登場したのは、マルコ・ポーロの『東方見聞録』で、マルコ・ポーロはソマリアのモガディシュ地方と勘違いしてマダガスカルと誤って紹介し、これがマダガスカルの名前の由来となっています。

 一方、アラブ世界ではマダガスカルは古くから知られていて、アラブ人は9世紀ごろからマダガスカルに進出し、アラブ商人達は東アフリカから黒人達を奴隷としてマダガスカルに連れてきて、これにより沿岸部の諸族は交易による富を築きました。

 この後マダガスカルは、中央高地に16世紀頃に出現したメリナ王国が統一したあと、19世紀末にフランスの植民地となり、1960年にフランスから独立して現在に至っています。

 地理ですが、国土総面積592,800平方キロメートルを有するマダガスカルは世界で46番目に広い国で、国土の主要部分を占めるマダガスカル島は世界で4番目に大きい島です。

 隣国としては、インド洋に浮かぶ周囲の島々に、フランス領レユニオン、モーリシャス共和国、セーシェル共和国、コモロ連合、フランス領マヨットなどがあり、モザンビーク海峡を挟んで対岸のアフリカ大陸側にはモザンビーク共和国があります。(地球の歩き方)

 宗教ですが、およそ人口の半数が伝統的な宗教儀礼を実践していて、マダガスカルの伝統宗教は生者と「ラザナ」(先祖)との結びつきを強調する傾向にあり、種々の祖廟建築が島全土に広がっています。

 また、中央高地を中心として、祖廟に安置してある家族の遺骸を定期的に取り出し、新品の絹の包み布で巻いてから再び祖廟に安置する、「ファマディハナ」と呼ばれる再葬儀礼が見られます。

 ファマディハナは、愛すべき先祖の記憶を寿ぎ、家族と共同体との結束を強める機会であるとともに、祝祭的な雰囲気を楽しむ機会でもあるのです。

 ここからマダガスカル観光です。

 まず、モロンダバ(ムルンダヴァ)のバオバブの並木道です。

 モロンダバにあるバオバブの並木道は人が植えたわけではなく、自生している樹木で樹齢は100年以上、道はあとから人間がつくったものです。

 天に向かって手をのばしたような形がとっても特徴的で、これほどバオバブが立ち並ぶ風景は世界広しと言えども、 ここマダガスカルだけです。(地球の歩き方)

 夕暮れどき、バオバブの木々のシルエットの向こうに真っ赤な夕陽が沈む幻想的な風景に、ただただ感動しますが、朝日が昇る夜明けの時間帯だと他に観光客が誰もいなくておススメです。

 次にアンカラナ特別保護区です。

 ディエゴ・スアレスからおよそ100㎞南に位置するアンカラナ特別保護区には、剣先のように尖った石灰岩が連なるツィンギーや、たくさんの洞窟があります。

 一番大きなグランド・ツィンギーまでは片道2時間のトレッキングになりますので、日差しがとても強くかなりの暑さの中、険しい道を歩くためトレッキングシューズで行くのがおすすめです。

 険しい道をひたすら歩いてやっとたどり着いたツインギーは、見る者を飲み込んでしまうような、圧巻の迫力です。

 最後にアンブヒマンガの丘です。

 アンタナナリボの北に位置するアンブヒマンガの丘には、16世紀、部族間の争いに初めて勝ってマダガスカルを統一したメリナ王国の首都がありました。

 1794年にアンタナナリボに首都が移されるまで、代々4人の王がここで暮らしていました。

 丘の頂上にあるかつての王領地は豊かな森に囲まれ、総長2.5kmにおよぶ二重の城壁と外堀に囲まれています。

 

 次回も東アフリカの国々を紹介します。

 引き続き気楽に遊びに来てください。( ^)o(^ )




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