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三遊亭金馬『釣り堀にて』その1

 五月の二日の八十八夜から、江戸前特有の青鱚(あおぎす)の脚立降ろして言う物を致します。 こりゃあ日本中で何処にもございません、江戸前だけでございます。 前の晩から船宿、船頭の家行って泊まるんです、泊まるったって寝ることは出来やしません。 皆わぁわぁ騒いでますが、釣りの仕掛けこしらえたり、釣りの馬鹿...

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3代目金馬さんの話

 玉置さんの話です。

 ”日曜を釣りする馬鹿に釣らぬ馬鹿、金馬さんの作でございます、釣りをする人を馬鹿の見本のように言う馬鹿な人がいるという。 金馬さんは自作の『浮世段語』という本に書いてらっしゃいます。

 阿波踊りにございます”踊るあほうに踊らぬあほう、同じあほなら踊らにゃ損損”と、こ...

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三遊亭金馬『高田馬場』その5

『ん~ん! 大変な酒!』 「何だい?」 『水っぽい酒ってのは有るけど、酒っぽい水だよ』 「仕方ないよ、こんなとこだもの、やーと、こうやって繋(つな)いでればいいんだよ、どうにか・・ん、う!・・んー!! こりゃあひでぇや! 飲めたもんじゃねぇよ! 樽ゆすいだ水みてぇなもんだ。・・え、時刻!? 聞いてみ...

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三遊亭金馬『高田馬場』その4

『ん! きっと言葉を捉えたぞ!』 「年老いたれど岩渕伝内、武士に二言はござらん」 そのまんま右と左に別れた。・・・

「吉つぁん!」 『え?』 「かたき討ちどうしたい?」 『日延べ!』 「え?」 『日延べ』

「よせやい、開業式じゃねぇやなぁ、かたき討ちの日延べてのはあるかい! 曽我兄弟が十...

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三遊亭金馬『高田馬場』その3

「薬はここに幾らも有るぞ・・・意気地のない奴ばかりが立ち会ったが幸い此処に白紙が有る。 白紙一枚切れるてぇと人間のあば皮が切れる通りじゃ。 一枚の紙が二枚に斬れる、二枚が四枚、八枚、十六枚、三二枚、六四枚・・“ふ~~っ”(紙を吹き飛ばす)、春は三月落花の形、嵐山は雪降りのていと斬れる。 かように切れ...

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