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がん予防に効果的な野菜スープのつくり方


がん予防に効果的な野菜スープのつくり方。

炒めてから煮込むのがコツ

ESSE  扶桑社 2020/10/31 20:48

日に日に寒さが増すこの季節、温かいスープや鍋で体を温めたくなりますね。

野菜たっぷりのスープや鍋は単に体を温めてくれるだけでなく、新型コロナ&インフルエンザなどのウイルス感染から身を守ってくれ、さらには最善のがん予防法になるという嬉しい報告が

ノーベル賞候補にも挙がるなど50年以上にわたる抗がん剤の世界的研究者で、がん予防の研究にも尽力し、野菜の食べ方次第でがん予防、免疫力の向上効果が飛躍的に高まることを明らかにしてきた熊本大学名誉教授の前田浩先生に、本当に体にいい野菜の食べ方について伺いました。

がん予防、免疫力の向上効果がある野菜の食べ方

がん予防、免疫力の向上効果がある野菜スープのレシピ

健康維持に野菜が重要と考えられる理由は、野菜にはがんを予防したり、老化を促進させる活性酸素の害から体を守る「抗酸化物質」が豊富に含まれるため。

 具体的には野菜が有する色素や香り、苦み、辛みなどの成分である「ファイトケミカル」をはじめ、「ビタミンACE」や、グルタミン酸、システイン、グリシンといった3つのアミノ酸が結びついた「グルタチオン」という成分などがこれに当たります。

サラダやスムージーでは野菜の栄養を丸ごと吸収できない

人体にはそもそも活性酸素を消去する抗酸化物質をつくる働きが備わっていますが、残念ながら加齢とともにその能力は低下します。

そのため、こうした抗酸化物質を野菜から上手に取り入れる必要がありますが、サラダやスムージーなど生の野菜のまま食べても、大事な健康成分を体で吸収しきれません。

その理由は、野菜の細胞はとても硬い細胞壁に包まれており、有効成分は細胞壁の中にギュッと閉じ込められているからです。

そこで、大切なのが細胞壁を壊すこと。

そのためには野菜を加熱することが不可欠なのです。野菜をゆでるだけで硬い細胞壁がすんなり壊れ、栄養成分が中から溶け出してきます。

つまり、野菜を加熱し、ゆで汁も一緒に飲めるスープや鍋は、野菜の栄養成分を効率よく摂取できる食べ方なのです。

野菜を生のまますりつぶした冷水抽出成分と、5分煮出した熱水成分で抗酸化力を比べたところ、ほとんどの野菜で生より加熱で抗酸化力が大幅にアップすることがわかりました。

がん予防効果が高まる野菜スープのポイント

ポイント1 濃い緑の野菜を使う

スープの材料には58種類程度の野菜を使うのがおすすめですが、必ず使用してほしいのがホウレンソウやコマツナ、春菊、ブロッコリーなどの濃い緑の野菜。

緑色の色素成分は「クロロフィル」というファイトケミカルですが、同時に「ルテイン」や「β-カロテン」などのカロテノイド色素を伴って野菜のなかでも特に強力な抗酸化作用を発揮するからです。

ポイント2 油で炒める

トマトに多いリコピンや、ニンジンやホウレンソウなどに含まれるβ-カロテンなどは油に溶けやすい脂溶性の抗酸化物質です。

こうした脂溶性成分は油と一緒に調理すると吸収率が高まるため、油で炒めてから煮込むのがおすすめです。

おすすめオイル ・エキストラバージンオリーブオイル ・ゴマ油 ・菜種油(焙煎) 

高度に精製された無色透明の油よりも、色がついたものを

ポイント3 汁も一緒に飲む

野菜に含まれる抗酸化物質やビタミン類、水溶性の食物繊維の多くは、スープに溶け出しています。

具材だけではなく、スープも余さず飲みきりましょう。

野菜スープのつくり方

【材料(4食分)】

タマネギ 12個(100g

ニンジン 12本(80g

カボチャ 100g

コマツナ 2株(60g

トマト 1個(120g

シメジ 50g

オリーブ油 小さじ2

水 1000ml

水はだしでもよい

【つくり方】

1)タマネギは皮をむき、ひと口大に切る。ニンジンは皮をむかずに、いちょう切りにする。

カボチャは種とワタを取り除き、ひと口大に切る。コマツナはざく切りにする。

トマトはヘタを取り、ざく切りにする。シメジは石づきを取り除き、ほぐす。

2)鍋を熱してオリーブ油を入れ、タマネギ、ニンジンを炒める。

タマネギが透きとおったら、カボチャを入れ、少ししたらコマツナ、トマト、シメジを入れ、全体に油を回す。

(3) (2)に水を注ぎ、フタをする(ふきこぼれを防ぐため、フタは少しずらして蒸気が逃げるようにする)。

(4)沸騰直前に火を弱め、野菜がやわらかくなるまで20分ほど煮込む(沸騰させすぎてふきこぼすと、大切な抗酸化物質が流出してしまう)。

完成!

冷めたスープは、ミキサーやハンドブレンダーで撹拌・粉砕してポタージュにしても。

野菜を切る油で炒める水を入れて煮込むだけで完成するお手軽な野菜スープ、毎日の健康維持にぜひ習慣にしたいですね。

 前田先生の新刊『抗がん剤の世界的研究者が教える! 最高の野菜スープ』(扶桑社刊)では、野菜スープががん予防に効果を発揮する詳しいメカニズムから、スープに活用したい野菜の健康成分・効果をまとめた野菜の便利帖、毎日の野菜スープづくりに役立つレシピが紹介されています。

<イラスト/ササキサキコ 写真/山川修一 取材・文/ESSEonline編集部>

教えてくれた人 【前田浩先生】

熊本大学名誉教授、(一財)バイオダイナミックス研究所理事長・所長、大阪大学大学院医学系招聘教授、東北大学特別招聘プロフェッサー。

ドラッグ・デリバリー・システム(DDS)研究の世界的なパイオニア。

2016年「がん治療における高分子薬物の血管透過性・滞留性亢進(EPR効果)の発見」でトムソン・ロイター引用栄誉賞(化学部門)を受賞して世界のトップ5に選ばれ、ノーベル化学賞候補に挙がる

 




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