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熱中症・熱射病・日射病の違いは?症状の目安は


「熱中症」「熱射病」「日射病」の違いは?症状の目安は?

All About 2017723 1155 (2017723 1730 更新 )

「熱中症」「熱射病」「日射病」の違いとは?
「熱中症」は「暑熱環境における身体適応の障害によって発生する状態の総称」と定義されます。

簡単にいうと、「気温・湿度の高い環境によって引き起こされる体調不良」といえるでしょう。
この「熱中症」の最重症型が「熱射病」です。

また、太陽光が熱源となって、脱水などを引き起こし、相対的に循環血液量が減少しておこる “立ちくらみ” を「日射病(熱失神)」といいます。

「熱射病」の中で、太陽光が熱源となっているものを「日射病」と記しているものもあります。すこし紛らわしいですね。

「熱中症」が新しい分類になった理由
「熱中症」には、「熱失神」「日射病」「熱けいれん」「熱疲労」「熱射病」といった病態が存在します。

しかし、定義自体があいまいで混乱があることや重症度を把握しにくいという問題点が指摘されていました。

また「熱中症」は予防・早期発見・早期診断が重要であることから、専門家以外でも理解しやすい分類と疾患概念が必要とされていたのです。
このような背景を踏まえて、IIII度の3段階に分類する熱中症の新分類が提案され、「熱中症診療ガイドライン」が日本救急医学会から作成されました。

「熱中症」の新分類では、意識障害の有無などをもとに、「現場で対応可能」「受診が必要」「入院が必要」の3段階に単純化されるようになりました。

 

熱中症が起きやすい気象条件
熱中症の発生に最も寄与する気象要素は「気温」です。

夏期の湿度が高い日本では、気温だけでなく「湿度」も熱中症の増加に大きく寄与します。

梅雨明け前後7月中旬から8月上旬にかけてピークを迎え、発症時期は12時および15時前後の日中が最も多いとされています。

また、真夏より低い気温でも熱中症は発生します。
ただし、熱中症は夏場に限らず、どのシーズンでも起こる可能性があります。

高齢者で、体温中枢のコントロール機能が十分でない人、あるいは潜在的に脱水のあるような人では特に注意が必要です。

熱中症リスクを知る「今日・明日の暑さ指数」
熱中症のリスク指標として、人体の熱収支に与える影響の大きい気温、湿度、輻射熱の3つを取り入れた指標、暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)が推奨されています。

輻射熱とは、地面や建物、体から出る熱で、温度が高い物からはたくさん出ます。
熱中症リスクを知るには、環境省が発表している「今日・明日の暑さ指数」が有用です。

各都道府県の主な気象観測所の所在地の実況と予測が確認できます。

3時間単位で提供されているので、暑い時期や外出する際には確認する習慣をつけておくといいでしょう。

熱中症にかかりやすい人とは
性別では男性に多く、年齢・発生状況別にみると、若年男性はスポーツ、中壮年男性は労働でおこりやすいようです。
高齢者では、男女ともに比較的安静にしている状態での熱中症が多く、屋内での発症頻度が増加しています。

労働環境下でない熱中症は、日常生活の中で徐々に進行するため、周囲の人に気付かれにくく、対応が遅れて重症化する傾向にあります。
特に「高齢」「独居」「日常生活動作の低下」「精神疾患や心疾患などの基礎疾患」が熱中症で死亡する危険因子とされています。

熱中症の予防の飲水には同時に塩分も
スポーツドリンクのこまめな水分補給でも問題ありませんが、スポーツドリンクは塩分量が少なく、糖分が多いという特徴があります。

熱中症の水分補給には、塩分と水分の両者を適切に含んだもの(0.10.2%の食塩水)が推奨されます。
現実的には、市販の経口補水液(オーエスワンなど)ということになるでしょう。

梅昆布茶や味噌汁なども、ミネラル・塩分が豊富に含まれており熱中症の予防に有効といえます。
夏場は特に高齢者に脱水症が生じやすく、また脱水に自分では気づきにくいので注意が必要です。

さらに、高齢者はお茶など塩分が少ないものを好む傾向にあり、自分では水分補給をしているつもりでも、結果的に電解質が補給されていない場合もあります。

日頃から、経口補水液などを定時に飲むような習慣をつけさせることが熱中症の予防につながります。

熱中症は危険という認識を共有しましょう
熱中症は危険な病態ということを、本人のみならず、「スポーツ指導者」「作業監督者」「高齢者を介護する人たち」もよく知っておくことが必要です。

夏場のみに起こるという先入観をもたず、「夏場以外のシーズンでも起こりうる」「炎天下の屋外以外でも起こる」ということを心に留めておきましょう。
高齢者が熱中症になりやすいのはもちろんですが、スポーツマンでいくら強靭な肉体を持っていても、熱中症になる可能性は十分あります。熱中症になってしまったら、自分でどうにかなるものではありません。

「根性論」で頑張らせすぎないように気をつけましょう。

 

 




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