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熱中症の症状・治療・応急処置


熱中症の症状・治療・応急処置

All About更新日:20150801

暑い夏の日の外出時、注意が必要な熱中症。

ひとことで熱中症と言っても、熱失神・熱痙攣・熱疲労・熱射病など、その症状と重症度はさまざまです。

それぞれの症状の特徴と、応急処置をご紹介します。
 

「熱中症」は総称! 熱中症の種類

暑い夏の日に強い日差しの下や熱い気温下にいた時に起こる熱中症。

非常によくある病気で、私が勤務している病院でも、炎天下の夏の日に10人以上の野球部員が運びこまれてきたことがありました。

今でも医療機関に運び込まれる学童は後絶えません。
ちょっとした工夫で予防できる一方、重度の症状になると命の危険も伴います。
熱中症の種類は、以前は体温や状態によって以下の4つに分けていました(旧分類)。

現在でもこの分類で捉えることは間違いではありませんので、旧分類に沿って対処法を説明したいと思います。
炎天下で車内に取り残された子供が救急車で運ばれるケースの多くは、熱射病(日射病)と考えられます。

熱射病(日射病):体温上昇により腎臓の機能が壊れ、尿が出なくなる

熱失神:体温は平熱。顔色が悪くなり血圧が低下する

熱痙攣:体温は平熱。手足の筋肉がピクピクする

熱疲労:体温は平熱。気温の暑さで夏バテのようになる

それぞれの特徴的な症状と応急処置の方法について、以下で解説します。
 

熱射病(日射病)の症状と治療

原因
屋外・屋内に関わらず、暑さがひどく、特に人の体温以上の温度になった時に起こります。

体温を下げようと汗をかいても間に合わなくなる状態です。

体温の上昇が早く、体温を下げる事ができなくなっています。

放置していると、体温調節のメカニズムも高熱のため壊れてしまい、41度以上の発熱になることも。

41度を超えると、体の成分であるタンパク質が壊れ、腎臓が機能しなくなると尿が出なくなり、場合によっては命に関わります。
症状
大量の汗により血液の量が減るため、顔色が悪く、唇は蒼く、脈を触ると弱くなります。

弱い脈が毎分100以上と速くなるのも特徴です。

体温が上昇し、41度を越えてしまい、顔などの皮膚が熱く、赤くなって、乾燥。

汗で水分が体から出てしまい、血液が濃くなり、流れが悪くなるため、血の塊ができたり、内臓への血液が減って、内臓が働かなくなります。
治療
とにかく、体温を下げることが大切です。氷やアルコールで体全体、または脇や足の付け根や首を冷やしたり、扇風機などで40度以下に冷やします。

点滴を行い、脱水の改善も行います。
 

熱失神の症状と治療

原因
炎天下の屋外にいると、日差しで体表の温度が上がっていきます。

そうなると、体表の温度を早く冷やそうと、皮膚側の血管が広がって血液がいつもより多く流れのです。

この体表を冷却しようとする血液が増えすぎて、内臓に流れる血液量が著しく減ってしまうのが熱失神。

じっとしているときではなく、運動をしているときに多い症状です。
症状
体温は平熱。体の表面である皮膚は血液による冷却作用で冷やされるため、体温計で計ると平熱より低い場合もあります。

血液量を増やそうと血管が広がっているために血圧が低下し、手首などで脈をとると、脈が弱くなり速くなります。

顔色も悪くなって血圧が下がったショックを起こしたような状態に。

病院で血圧を測定してショック状態を判断します。
治療
涼しい所で安静にし、水分を補給することで回復します。

もし症状が重くショックを起こしている時には、医療機関に行きましょう。

電解質を含んだ液の点滴を行って治療します。

熱痙攣の症状と治療

原因
運動時に多いですが、温度の高い室内でも、大量の汗をかくことで起こります。

汗をかくことで血液中の塩分が減少してしまい、手足の筋肉がピクピクと痙攣を起こす病気。

塩分を含まない水ばかり飲んでいると危険です。
症状
体温は平熱。大量の汗と一緒に、血管から水分と塩分が出ていくため、血液の量が減ります。

顔色が悪く、脈をとると脈が弱く速くなっている状態。病院で血圧を測定します。

熱失神と違って、筋肉の痙攣を起こすのが特徴。
治療
涼しい所で塩分を含む飲料を飲みましょう。

筋肉の痙攣がひどい場合は、医療機関で塩分を補う点滴を行います。
 

熱疲労の症状と治療

原因
名前の通り、暑さによって疲れた状態になることです。

気温の高い日の運動時はもちろん、気温の高い室内で静かにしていても起こります。

特に体調が悪いときの外出で発症しやすいです。
症状
体温は平熱がほとんどですが、40度まで発熱することもあります。

大量の汗で体の水分が減ってしまうために脱水症状を起こし、体がだるく感じるなどの自覚症状が出ます。

例えば、脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気などの症状ですが、疲労状態が進行して体温がどんどん上がると熱射病になります。
治療
涼しい所で安静にして、脱水状態の改善のため、塩分を含むイオン飲料、いわゆるスポーツ飲料の補給や医療機関での点滴を行います。

熱中症の分類(新分類)

熱失神、熱痙攣、熱疲労、熱射病の旧分類はわかりにくいということで、現在熱中症は治療の必要性と国際的な評価から重症度をI度、II度、III度の3つに分類されています。

I度…軽症(熱失神、熱痙攣)

II度…中等症(熱疲労)

III度…重症(熱射病)

治療は、それぞれに応じて行われます。
…熱中症の重症度とその対処方法 を参考にしてください。

記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

 




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