薬に頼らず食事で病気を予防 No.3
- カテゴリ:美容/健康
- 2019/12/01 21:22:08
薬に頼らず食事で病気を予防 人気漢方店店主が教える症状別食材と食べ方 冷えの養生レシピ 人間の体は、全身を巡る血液により体温が一定に保たれているため、血流が悪くなったり、血液が足りなくなると体が冷えてしまう。 この場合、血行をよくしたり、血を補う「しょうがと黒糖」を摂るのがおすすめだ。 また、指先など、体の末端が冷える場合は、ストレスが原因のケースが多いので、血やエネルギーを巡らせる作用がある「玉ねぎ」を食べるとよい。 <作り方> マグカップに水、スライスしたしょうが(チューブタイプのものでもOK)、黒糖各適量を入れ、電子レンジに約1分かける。 ほかにもこんな食材が ■鮭 胃を温め、血流をよくして冷えを改善する。皮まで食べた方がいい。 ■にんにく 胃を温める作用があるため、胃腸の働きを活性化させる。 ■しそ 胃腸を温める効果が高い。 (豆知識) 冷え症の人はむやみに水を飲まないこと。 冷えを助長する。のどが渇いた時に飲めば充分。 下痢の時の養生レシピ 下痢の原因はさまざまあるが、ストレスや過労、不摂生などにより、消化器の機能が弱まり、うまく消化できないというケースが多い。 胃腸の働きを高める食材としては「かぼちゃ」があげられる。 体を温め、疲労回復にも役立つほか、美肌作りや生活習慣病の予防にもなる。 腸内環境を整える発酵食品のみそと一緒に摂れば鬼に金棒だ。 <作り方> かぼちゃは一口大にする。 鍋にだし汁とかぼちゃ各適量を入れて火にかけ、かぼちゃがやわらかくなったらみそ適量を溶き入れる。 ほかにもこんな食材が ■じゃがいも 胃腸の働きを活性化させ、やさしく整える働きがある。 ■さつまいも 胃腸を丈夫にし、腸内の水分代謝を整える効果がある。 ■梅干し 消化促進や整腸作用にすぐれている。胃腸を温める効果も。 (豆知識) 胃腸によさそうなヨーグルトだが、もともと消化器系が弱く、慢性的に下痢をするタイプには向いていないことが多い。 心あたりのある人は食べるのをやめてみて。 肩こりの養生レシピ 肩こりは血行不良によって起こるものと漢方では考えられている。 血行不良の原因は、ストレスや眼精疲労、暴飲暴食、冷えなどさまざまだが、いずれにせよ、血流が滞り、体内に老廃物がたまった状態。 特に、油っこいものや味の濃いもの、生もの、体温より冷たい食事は控えた方がいい。 おすすめは「にらのおひたし」。 にらには、血液をサラサラにし、体を温める作用がある。 <作り方> 煮立った湯に、にら適量を入れてさっとゆでる。水気を絞って適当な長さに切り、たっぷりとかつおぶしをかける。 しょうゆをかけると塩分が高くなるので、かつおぶしで、旨みをアップさせていただこう。 ほかにもこんな食材が ■小松菜 血液をサラサラにし、体内の余分な熱をおさめてくれる。 ■玉ねぎ 体を温め、血液をサラサラにして巡りをよくしてくれる。 ■らっきょう 血液をサラサラにする効果がある。1日1~2個を目安に食べよう。 (豆知識) ストレスが多いと、血流が悪くなり、肩こりになりやすい。 解消するには、深呼吸もおすすめだ。 便秘の養生レシピ 漢方でいう便秘は、熱がこもったり、あるいは冷えてエネルギーや血が不足するなどして、胃腸の働きが悪くなって起こる。 「柿」には、体内の余分な熱を取って、潤す働きがあるので、便秘の時におすすめ。 特に温めて食べると効果が上がるので、トースターで皮がパリッとするまで焼いた「焼き柿」にしてみよう。 二日酔いにも効果があるので試してみて。 <作り方> 熟した柿のヘタ部分を横に切る。皮と果肉の間に軽く切り込みを入れて、トースターで約10分焼く。 ほかにもこんな食材が ■きゅうり 体にこもった余分な熱を冷まし、潤いを与える作用がある。 ■にら 腸内の老廃物を排出して胃腸の働きを整え、消化を促進する。 ■しめじ 腸内環境を整えて便通を促す。血を補う作用もある。 (豆知識) 市販の便秘薬には習慣性を持つものもあるので、安易な使用は避けること。 便秘が気になる時はまず、加熱した野菜をたっぷり1週間食べてみよう。 頻尿の養生レシピ 漢方で「腎(じん)」は、生命力の源と考えられており、加齢とともに「腎」の機能が弱まると、尿を止める力も弱くなるとされる。 それが頻尿や尿もれの原因に。 対策としては、「腎」を活性化させる食材を摂ること。 おすすめは「ぎんなん」などの木の実だ。 焼いてもいいし、炊き込みご飯にしてもよい。 とにかく温めていただこう。 <作り方> 「焼きぎんなん」は、殻ごとフライパンで炒る。 「ぎんなんの炊き込みご飯」は、炊飯器で米を炊く時に殻を取った実を入れ、だし汁や酒、塩などで調味して一緒に炊く。 ほかにもこんな食材が ■栗 「腎」の力を活性化させる。老化による筋肉の衰えに◎。 ■くるみ 「腎」のパワーを補う働きがある。喘息や冷えにも有効に働く。 ■くこの実 「腎」の機能を高め、老化を遅らせるなどの働きがある。 (豆知識) 冷え症の人は頻尿になりやすい。普段から体を冷やさないように心がけること。 カイロを腰に貼ったり、足湯もおすすめ。 冷え症に効果のある食材も併せて摂ろう。 教えてくれたのは… ミドリ薬品漢方堂 三代目店主 櫻井大典(だいすけ)さん/国際中医専門員。 漢方関連のツイッターが話題。 主な著書に『体をおいしくととのえる!食べる漢方』(マガジンハウス)など。 イラスト/うえだのぶ ※女性セブン2019年11月28日号