Nicotto Town


ラッキーブルーベアーの休憩室


免疫力UPが期待できるHSP入浴法とは?


免疫力UPが期待できるHSP入浴法とは? コロナ鬱を予防する効果も

Forbes Japan 2020/05/16 19:00 山本 美和

新型コロナ禍により、外出の自粛が続いているが、家に籠っていることで欲求不満やストレス、不安を感じている人も多いことだろう。

実際に、気分の落ち込みや気力の減退、感染恐怖症、不眠など、鬱に似た症状を訴える人も増えているという。

「コロナ鬱」や「コロナストレス」と呼ばれるこれらの症状は、いまの状況が続けば、ますます悪化するとも予想されている。

そんな状況のなか、コロナ鬱やコロナストレスを家にいながら予防する効果が期待できると注目されているのが、医学的にも証明されている「HSP(ヒートショックプロテイン)入浴法」だ。

HSPで免疫力アップと鬱解消

HSP(ヒートショックプロテイン)とは、ストレスで傷んだ細胞を修復する働きを持つたんぱく質のこと。

「熱ショックたんぱく質」とも呼ばれ、ヒトを含めほとんどの生き物がもっているストレス防御たんぱく質であり、免疫細胞を強化する働きも持つという。

HSP研究の第一人者である伊藤要子氏よると「HSPは、日々さまざまなストレス(ウイルス感染もストレス)によって傷つく私たちの細胞を修復して、元気にしてくれます。その働きは、ストレス防御や免疫力増強作用だけでなく、脳の神経細胞をストレスから守ることにより、鬱症状をも改善する働きがあることが臨床研究で明らかになっています」と語る。

いまこそ、新型コロナウイルスという見えない敵と戦うための心と体の自己防衛対策として、免疫力を上げ、鬱症状を改善してくれるというHSPを増やしたい。

その方法とは? 伊藤氏が推奨するのが「HSP入浴法」だ。

 「HSPは最も古いサバイバル(生き抜くための)タンパク質です。地球上で初めて細胞が誕生したときから、HSPは存在していたと考えられます。どんな生物もストレスを受けますが、ある程度のストレスは自分で修復して生き延びるために、ストレスから身を守るタンパク質であるHSPを持っています。サバイバルのために必要だからこそ、進化の過程でも消失せず保持されてきました。免疫力を上げたいいまこそ、HSPに注目すべきです。実はHSPは、お風呂好きの日本人にぴったり。なぜなら、HSPは、日本のお風呂の湯温4042度で最も効率よく増やすことができるからです」(伊藤氏)

そのHSP入浴法は、自宅のお風呂を利用すれば誰でも簡単にはじめられるという。ポイントは少し熱めのお風呂に長めにつかり、入浴後の保温を意識すればいいだけというから、かなり手軽だ。

「いつものお風呂よりちょっと熱いかな、ちょっと長いかなと、少し負荷を感じるくらいでHSPは増加します」(伊藤氏)。

以下に詳しい方法を紹介しよう。

HSP入浴法の手順

入浴前に水分補給をし、浴室を温めたら、心臓から遠いところから湯船に入る。

肩までつかる全身浴が基本だが、高齢者や体力に自信のない場合には、みぞおちまで浸かる半身浴でも構わない。

その場合は、首元まで風呂の蓋で覆ったり、全身浴と交互にしたりして、肩を冷やさないこと。

入浴時間も少し長めにとったほうがよい。

また、長めの入浴時間を利用して湯船の中で手首や足首を回したり、肩を上下させたりするなど軽い運動をするのもおすすめだ。

体が熱くなったら、短時間であれば立ち上がったり、湯船に腰掛けたりするなどして休んでも問題ない。

その場合は、合計して下記に紹介する時間は湯船につかることを目標にしよう。

湯船の温度と入浴時間の目安

湯温と入浴時間は次の通りだ。

40度→20分

41度→15分

42度→10分

体温38度に上げることをめざしてお湯につかると、ほぼこれくらいの温度と時間になる。

体温が低い人は、平熱より1.5度以上体温が上がることを目安にしよう。

HSP入浴法をはじめてから数回は、舌下用の体温計で測定しながら入浴することをおすすめする。

炭酸系入浴剤などを使用する場合は、体温が早く上がるので、例えば40度なら15分の入浴でいい。

入浴後15分は「冷えたビール」禁止

また、HSP入浴法では、湯上りの保温を意識することが大切だ。

入浴後は体の水分をしっかりふきとり、靴下をはいたら、すぐに部屋着を着て防寒すること。

2025度の温かい部屋で1015分保温して、体温が37.037.5度くらいに保つのが、HSP入浴後の理想的な保温法だ。

このとき大量の汗が出るので、常温の水や温かい飲み物などで水分補給を忘れずに。

保温している時間に冷たいビールを飲むと、せっかく上がった体温を急激に下げてしまうので厳禁。

冷たい飲み物は保温時間の後にしよう。HSP入浴法や保温の詳細についてもっと知りたい人は、伊藤氏のHPHSP入浴法」や著書「加温健康法」の一読することをお薦めする。

週に23回の入浴を実践

では、毎日HSP入浴法を実践しないといけないかというと、そうではない。

HSPは、HSP入浴とその後の保温によって細胞に熱がこもり、実践した2日後をピークに、13日間は増加します。その後、減少して元に戻ってしまうので、減少してきたら2回目のHSP入浴を実施します。週に2回のHSP入浴が理想です」(伊藤氏)

例えば、土曜日にHSP入浴をすると、月曜日にHSPがピークとなる。

その後、減少し始める火曜日か水曜日に2回目のHSP入浴をすれば、1週間、比較的高い状態でHSPが維持できることになる。

ただし「いまは新型コロナウイルス感染予防のために、週に3回のHSP入浴がおすすめです」と伊藤氏は言う。

HSP入浴以外の日は、半身浴やアロマの香りを楽しむ入浴など、好みに合わせた入浴法で問題はない。

いつもより少し熱めで長めのHSP入浴法は、慣れると熱さも時間も気にならなくなり、大量の汗が出て、入浴後は心も体もスッキリする。

HSP入浴法は消費エネルギーが普通の入浴より多く、増加したHSPが代謝を良くするので、ダイエット効果も期待できます。在宅勤務、休校でつい間食が多くなったり、運動不足だったりする方の糖質消費にもつながります」(伊藤氏)

自宅で過ごす時間が増えたいまだからこそ、いつものバスタイムを、免疫力アップとコロナ鬱予防の時間に当ててみてはいかがだろう。

監修=伊藤要子(いとうようこ)

医学博士。

HSP研究の第一人者であり、一般社団法人HSPプロジェクト研究所代表理事 所長。バンダナ先生として知られ、HSPの研究と講演会やメディア等でHSP入浴法の普及に活躍中。

著書は「加温健康法」(法研)ほか多数。

 




月別アーカイブ

2023

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011

2010


Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.