猫待月の夜に会いましょう!⑧
- カテゴリ: 自作小説
- 2009/02/13 21:47:19
会場に、一際、大きな猫が現れました。
体が真っ白で、毛が長いので、実際よりも大きく見える
のかもしれません。
白猫が通る時は、みんな目を伏せて、お辞儀でもする
ようにして、道を開けます。
あの白猫が猫達の長老なのでしょう。
長老猫は、ゆっくりと一番高い所に上がりました。
...
藍姫は、しがない駄文書きです (゚▽^*)-☆
この本棚には……
「自作小説」には、 私の自作小説が、
「詩/小説」「マンガ」には、オススメ本が収納されています♪
※題名に★は イベントブログ、<B>は ブログネタです^^
会場に、一際、大きな猫が現れました。
体が真っ白で、毛が長いので、実際よりも大きく見える
のかもしれません。
白猫が通る時は、みんな目を伏せて、お辞儀でもする
ようにして、道を開けます。
あの白猫が猫達の長老なのでしょう。
長老猫は、ゆっくりと一番高い所に上がりました。
...
猫の背を見ながら、細い路地(猫がいう所の“獰猛犬注意
の小道”)を延々と歩いていると、急に開けた場所に出ま
した。
月がここだけ強く照らしています。
光は、青でも黄色でも白でもない不思議な色です。
暑くも寒くもない、居心地のいい空間。
そこにいたのは……やはり、猫達でした。
...
月明かりが、村全体を照らしています。
青白い月光に包まれた村は、まるで永遠の眠りに
ついているようです。
私は、先を行く猫紳士を見失わないように、必死で
足を動かしていました。
これが夢なのか、現実なのか。
私には分かりません。
夢なら楽しいですが、現実だったら少し怖い...
「今度の金曜日、正午までに、島のみなさんを高台
まで連れて行って欲しいのです」
「高台ですか? どうして?」
猫は考えるように目を閉じて、喉を鳴らしました。
ごろごろ、ごろごろ。
心地よい音楽のように気持ちが落ち着いてきます。
「実は……」
猫は身を乗り出して、小...
「そんな事をしたら、バイキンが入りますよ」
親切でいったつもりでしたが、猫は驚いたように目を
パチパチしました。
そして、すぐに笑い出しました。
「いや、これは失礼。この程度のキズはわたし達にとっ
ては何でもありません。まあ、舐めておけば直ります」
(ああ、猫なら、それ...