温泉研究会 ~鬼頭温泉~ (10)
- カテゴリ: 自作小説
- 2011/01/31 22:44:59
<遠島 愛美>
さっきまで聞こえていたせせらぎも聞こえない。星も見えない。
当たり前だが、こんな時、裸なのは心細さを増長させる。私は、手足をバタつかせるようにして、闇雲に歩いた。混乱して、どこに向かおうとしていたのか、どこに向かってい
るのか、自分でも解らない。「だれかぁ…」弱々し...
藍姫は、しがない駄文書きです (゚▽^*)-☆
この本棚には……
「自作小説」には、 私の自作小説が、
「詩/小説」「マンガ」には、オススメ本が収納されています♪
※題名に★は イベントブログ、<B>は ブログネタです^^
<遠島 愛美>
さっきまで聞こえていたせせらぎも聞こえない。星も見えない。
当たり前だが、こんな時、裸なのは心細さを増長させる。私は、手足をバタつかせるようにして、闇雲に歩いた。混乱して、どこに向かおうとしていたのか、どこに向かってい
るのか、自分でも解らない。「だれかぁ…」弱々し...
<宇佐 雅宏>
槙村を担いで部屋に戻る……のは無理なので、適当に脱衣
所に転がしておいた。浴衣も着せるだけで重労働なので、掛布団のように掛けるだ
けにした。……まあ、その内、目を覚ますだろう。さあ、温泉に入るぞ!遠島の悲鳴騒ぎで、すっかり、...
<遠島 愛美>
「ご免なさい。うるさくして」私は、湯船の段差に腰掛けて半身浴する黒髪の美人に頭を
下げた。「いいのよ。気にしないで」年上なのに、クスクスと笑う仕草が可愛らしい。元はと言えば、私が この人を幽霊と勘違いして、悲鳴を上げ
たのが悪いのだ。宇佐くんにも心配をかけてしまった。&helli...
<宇佐 雅宏>
驚いた。まさか、バスタオルを持って入っていたとは……って
違うだろう、僕!脱衣所まで追い返された僕は、扉に背中をつけて座り込んで
いた。深呼吸して気持ちを静める。これじゃあ、覗き魔だよ。変質者だよ。痴漢野郎(ああ、痴漢
は男の事か。漢と書いてオトコと読...
<槙村 虎太郎>
雅宏が溜め息ばかりついている。
俺と目を合わせようともしない。まさか、押し潰した事を怒ってるのか?
心の狭い奴め。「なあ、どうしたんだよ。さっきから」脱衣所に着いても、グズグズしている雅宏に、俺は明るく声を
かけた。
同じ部屋に寝泊りするのだから、気まずいのも困る。「ん~&he...