苺と桃と。~猫の恩返し?~ ⑯
- カテゴリ: 自作小説
- 2009/03/05 22:47:13
「明日……ですね」
モモも独り言のように呟く。
「 「あの……!」 」
僕達は、呼吸も台詞もぴったり一緒に、声を上げていた。
二人の間にジワジワと広がる暖かい空気に、僕は勇気付け
られた。
「明日、もう少し早く来られるかな」
モモが、頭のお団子に触れる。
...
藍姫は、しがない駄文書きです (゚▽^*)-☆
この本棚には……
「自作小説」には、 私の自作小説が、
「詩/小説」「マンガ」には、オススメ本が収納されています♪
※題名に★は イベントブログ、<B>は ブログネタです^^
「明日……ですね」
モモも独り言のように呟く。
「 「あの……!」 」
僕達は、呼吸も台詞もぴったり一緒に、声を上げていた。
二人の間にジワジワと広がる暖かい空気に、僕は勇気付け
られた。
「明日、もう少し早く来られるかな」
モモが、頭のお団子に触れる。
...
「い、行くって、どこに?」
「夕食のお買い物です。急いで来たから何も用意してなくて」
「じゃあ、今日は外に食べに行こう」
ちょっとの間、モモが考え込んだので、僕は畳み掛けた。
「昨日は酔っ払いの世話で大変だったし、たまには人の作っ
た物もいいもんだよ。ね?」
本当は...
「私も帰りました。トモが心配するといけないので」
「あ、そうか。そう、だよね」
ガッカリしたような、ホッとしたような。
「オネエサマが“このままでいいわよぉ。片付けくらい自分で
させなさぁ~い” と、おっしゃったので、部屋が散らかった
まま帰ってしまったのですが、やはり気に...
「不思議な事なんてないんだよ、いっちゃん」
ロクはそこで、はぁ~と白い息を吐き出して一呼吸おいた。
軽く身震いした友人は、ズボンのポケットに手を入れて、未来
の世界の不思議道具風に「ロォリポォップゥ~!」と、チュッパ
チャップスを取り出してみせた。
「おい、それは……」
...
「嘘、本当に飛んじゃった」
姉ちゃんが放心したように呟く。
と、途端に僕の体の呪縛が解けた。
祈るような気持ちで、手すりから身を乗り出して下を覗く。
モモが得意げにこちらを見上げていた。
遅れて部屋から出てきた姉ちゃん達を押し退けるように、僕は
階段を下りて、モモに駆...