退魔除霊師~ユメワタリ~ (63)
- カテゴリ: 自作小説
- 2009/05/14 20:17:12
独り言のような小さな声で、瑞希が「もう解決したから」と呟いた。
瑞希の問題は解決した?
それは……つまり、瑞希の話は、オレへの返事ではなかったって
事か。しかも、オレがいなくても解決したんだ。
最後の頼みの綱が切れたような気がした。
可笑しくもないのに、笑いが込み上げてくる。
...
藍姫は、しがない駄文書きです (゚▽^*)-☆
この本棚には……
「自作小説」には、 私の自作小説が、
「詩/小説」「マンガ」には、オススメ本が収納されています♪
※題名に★は イベントブログ、<B>は ブログネタです^^
独り言のような小さな声で、瑞希が「もう解決したから」と呟いた。
瑞希の問題は解決した?
それは……つまり、瑞希の話は、オレへの返事ではなかったって
事か。しかも、オレがいなくても解決したんだ。
最後の頼みの綱が切れたような気がした。
可笑しくもないのに、笑いが込み上げてくる。
...
「ロク……話って何?」
言ってしまいたい。
「お前が好きだ。特別なんだ」と。
そうすれば、少しは楽になる。
瑞希に半分持ってもらえるのだから。でも……。
鼓動が速くなる。
オレは、術の前に行う呼吸法で、無理矢理、自分を抑え込んだ。
「相談があるんだけど……いい?」
「...
言われた事が理解できなくて、いや、理解したくなくて、オレは、頭
の中の同じ場所で何度も何度も足踏みを繰り返した。
オレだって、兄弟姉妹で結婚できないのは知っている。
近親交配だと、生まれてくる子供の先天性の病気や障害のリスク
が高くなるからってのが理由だったと思う。
それと……倫理的に...
部屋を出たオレは、月子さんに言われた事を考えてみた。
大学を出たら、オレ自身がどうしたいか選択してもいいって?
それは、退魔除霊師を辞してもいいって事なんだろうか。
父ちゃんのように、時々そっちの仕事はするけど普通の会社に
勤めて、日曜は接待ゴルフ三昧。
奥さんに「たまには遊びに連...
「ご苦労でした、六郎太」
「はっ。では、これにて失礼いたします」
きっちりと頭を下げてから、相手の顔を見ないよう視線を畳の縁に
固定したまま、オレは立ち上がった。
オレの任務完了報告を聞いていた女性は、瑞希と晶の母にして、
退魔除霊師のまとめ役 ---ついでに言うと、風子さん、...