退魔除霊師 ~エンキ~ (15)
- カテゴリ: 自作小説
- 2009/06/25 22:01:58
「そうですよ」と、何の迷いもなく、來夢は答えた。
「夢はずっと見てましたけど、何かが見えたり、聞こえたりする
事はなかったです」
「一ヶ月もしない内に、全部の基本能力が退魔除霊師基準に
達したって事? それって、すごい事なんだけど……」
「そうなんですか?」
そうなん...
藍姫は、しがない駄文書きです (゚▽^*)-☆
この本棚には……
「自作小説」には、 私の自作小説が、
「詩/小説」「マンガ」には、オススメ本が収納されています♪
※題名に★は イベントブログ、<B>は ブログネタです^^
「そうですよ」と、何の迷いもなく、來夢は答えた。
「夢はずっと見てましたけど、何かが見えたり、聞こえたりする
事はなかったです」
「一ヶ月もしない内に、全部の基本能力が退魔除霊師基準に
達したって事? それって、すごい事なんだけど……」
「そうなんですか?」
そうなん...
現場の原状回復や、遺体の運搬を担当する処理班に引き継ぎ
が終わり、帰路についたアタシ達は、言葉少なだった。
アタシも、こんなに疲れた退魔除霊は初めてだったし、現場初
体験の來夢なんて疲れが一気に出たのか歩みが遅い。
いつもなら、場を盛り上げようと一人で変な話をし出すロクロー
でさえ、妙...
「ごめん、ごめん。悪かったわね、來夢」
「えっ?!」
來夢の顔から怒りが綺麗に吹き飛んで、純粋な驚きが残る。
えっ、そんなに意外? そんな顔をされたら、こっちがちょっと
照れくさいよ。
「アタシ達は、仲間なのに、苗字で呼び合うなんて余所余所し
いでしょう? あ、アタシの事も...
「ダメよ。ロクロー一人じゃ無理……」
「だったら、早く手当てさせてくださいっ!」
珍しく怒気をはらんだ來夢の声に、アタシは、ハッとなる。
「ワタシやロクさんでは、霊格でも属性でも敵う相手ではないん
です。貴女しかいないんですよ。引率の先生なら、ちゃんとし
てください」
...
「ま、ざっと、こんな物よ」
「流石は、退魔除霊師の誉れ高き炎の姫巫女だな。誰であろう
と容赦しないねぇ~」
「……ロクロー。それ、褒めてるのよね?」
「これで終わりですか」
「いいえ、邪鬼を滅するわ。金縛符を」
來夢が札を取り出す。
金縛符を受け取ったアタシは「や...