MONO ~玄影の小箱~ ⑩-1 <終章>
- カテゴリ: 自作小説
- 2009/07/15 21:42:51
戻ってきた。私の家に。
意志を持つモノ達が集う “MONO‐oki” 《モノ-オキ》 に。
「キノカ! よかった。見つかったんだね」
外見が 真夜さんとよく似た雰囲気の少女が駆け寄ってくる。
夜美 《ヨミ》 さんという名前で、真夜さんの双子のお姉さんなの
だが --- 真夜...
藍姫は、しがない駄文書きです (゚▽^*)-☆
この本棚には……
「自作小説」には、 私の自作小説が、
「詩/小説」「マンガ」には、オススメ本が収納されています♪
※題名に★は イベントブログ、<B>は ブログネタです^^
戻ってきた。私の家に。
意志を持つモノ達が集う “MONO‐oki” 《モノ-オキ》 に。
「キノカ! よかった。見つかったんだね」
外見が 真夜さんとよく似た雰囲気の少女が駆け寄ってくる。
夜美 《ヨミ》 さんという名前で、真夜さんの双子のお姉さんなの
だが --- 真夜...
私の代わりに山本くんが「どうぞ」と返した。
ドアの向こうには、私のよく知った人がいる。
彼の緑の双眸は今日も美しい。
「お邪魔します」
ズカズカと無遠慮に部屋に上がり込み、その人が私を見下ろし
た。私達の間に流れた訳ありな空気に、山本くんが立ち上がる。
山本くんを視界の端...
「大丈夫? 急に倒れたって聞いたけど」
山本くんがお見舞いに来てくれた!
それだけで、私は胸がいっぱいになって言葉が出なかった。
「最近、忙しかったから疲れが出たんだな」
今の私を気遣う山本くんの目は、どこまでも優しい。
山本くんにとって、私はただのクラスメイトに過ぎないの...
追いかけてくる。
ついてない男の被害妄想だろうか?
いや、断じて違う。オレは追われている。
息苦しいのを通り越して、もう何も感じない。ただ、今も後ろにい
るであろう、あいつを恐れて、オレは走っている。
あいつ、誰なんだ。いや、何なんだ。
最初は黒い影だった。
次第に輪郭...
「あの子達、悔しがっているでしょうね。白夜の丘の朝露草は、自分達で焼き払っちゃったから」
ゆっくり休みを取って、気分がスッキリした水華 《スイカ》 は、クスクス笑いました。
「そうだよねぇ。雫は、他の場所で手に入れるしかないもん……くちゅん!」
水華と並んで歩いていた深柑 《ミカン...