Nicotto Town


藍姫の本棚♪


藍姫は、しがない駄文書きです (゚▽^*)-☆
この本棚には……
 「自作小説」には、 私の自作小説が、
 「詩/小説」「マンガ」には、オススメ本が収納されています♪
※題名に★は イベントブログ、<B>は ブログネタです^^

眠れる森の赤頭巾 (11)

《終章~夢から覚めて~》
 「好きだったんです。先生が」男は、重い口を開いた。由良崎 一也。市立 瀬尾早《セオハヤ》高校の国語教師。
まだ、30前と言う事だったが、幾分老け込んで見えた。
まるで大病の後のようだ。窓から差し込む光が、細かい塵でスポットライトのように帯となり、
男を照らしている。「あの...

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眠れる森の赤頭巾 (10)

私は、必死に由良崎の手に爪を立てた。
机を蹴り、音を立てようと もがいた。声は全く出せない。
言葉が……私よりも先に死んでいく。助けて。たすけて。タスケテ。
ワタシハ、アカズキンニハ、ナリタクナイ。「止めろ」由良崎の力が緩んだ。
私の意識は辛うじて、つながっている。由良崎...

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眠れる森の赤頭巾 (9)

どうしよう。やっぱり、警察に行かないと……。
それより、先に電話……あ、携帯、鞄の中だった。
もう、私のバカ! 早く、警察に知らせないといけないのに……。でも、大丈夫かな。
10年前の、しかも、当時6歳の子供の記憶を...

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眠れる森の赤頭巾 (8)

私は、思わず後退った。
一歩 踏み出した少年の動きに合わせて一歩。今度は、少年が動きを止めた。怖い顔で私を睨んでいる。「お前、もしかして……」大きな手が私の方に伸びた。チョキを出す。(やったー、私の勝ち!)
殴りかかる。(グーだと痛そう)
握手する。(男子と手をつなぐなん...

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眠れる森の赤頭巾 (7)

雨が振り出した。
風がない為か、寒くはない。鬼は、なかなか現れない。
そうこうしている内に、母親の胎内のような暗闇で、私は、うとうと
と眠ってしまったようだ。どれくらい経っただろう。
外はすっかり暗くなっていた。雨は止んでいた。
水捌けが悪いのか、土は少しぬかるんでいたが、石畳は ほとんど
乾いてい...

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