温泉研究会 ~鬼頭温泉~ (5)
- カテゴリ: 自作小説
- 2011/01/26 22:58:38
<宇佐 雅宏>
遠島の目を覗き込んだ瞬間、理性が綺麗に吹き飛んだ。僕は、遠島を抱き寄せていた。
遠島も抗う様子を見せない。どうなっているんだろう。
いきなり、こんな事をする(そりゃあ、いつか必ずって思ってい
たけど)つもりはなかったのに。僕の頬に遠島の髪が触れる。
柔らかくて、いい匂いがした。こ...
藍姫は、しがない駄文書きです (゚▽^*)-☆
この本棚には……
「自作小説」には、 私の自作小説が、
「詩/小説」「マンガ」には、オススメ本が収納されています♪
※題名に★は イベントブログ、<B>は ブログネタです^^
<宇佐 雅宏>
遠島の目を覗き込んだ瞬間、理性が綺麗に吹き飛んだ。僕は、遠島を抱き寄せていた。
遠島も抗う様子を見せない。どうなっているんだろう。
いきなり、こんな事をする(そりゃあ、いつか必ずって思ってい
たけど)つもりはなかったのに。僕の頬に遠島の髪が触れる。
柔らかくて、いい匂いがした。こ...
<槙村 虎太郎>
さっきから同じような所を走っているなと思っていたら、雅宏が
妙な事を始めた。見通しのいい直線道路で急ブレーキをかけたかと思ったら、
「何かを轢いた」とか「後部座席に誰かいる」とか言い出したの
だ。ふっふっふ。
甘いな。お前の作戦は見え見えなんだよ。遠島ちゃんを怖がらせてその気に...
<宇佐 雅宏>
どうして、こんな事になったんだろう。よく在りがちな怪談話(本当によくあるのだろうか?)のように、
走る車の前を白い影が過ぎり、僕はブレーキを踏み込んだ。当然のように同乗者は、そんなもの見ていないと言う。車には何かを轢いた形跡もなく、僕は納得いかないまま運転
を再開する。すると、バ...
<槙村 虎太郎>
旅の出だしは何とも不吉だった。一歩外に踏み出した途端、パンツのゴムが切れた。
しかも三度も!お陰で待ち合わせに遅れた。遅れた理由を正直に話せば「マッキー。お前、食べすぎなん
だよ」と、野長瀬に嫌味を言われるので、黙っている事にする。「寝坊した」とでも言っておけば納得するだろう。...
<宇佐 雅宏>
「道に迷った」などと、とても言い出せない雰囲気だった。そうでなくても、車の中の空気は重い。……僕が悪いのだろうか。
まあ、道に迷ったのは僕の所為だけど。車内の空気の悪さは僕の所為じゃない。僕はバックミラー越しに後ろの席を見た。
後部座席には女が二人座っ...