親父が女と歩いているのを目撃したのは、いつもと変わらない冬の昼下がりだった。
営業で外回りをしていた俺は、昼食と暖を取るために入った喫茶店の窓から、深刻そうな顔で歩く中年の男女を見つけたのだ。
赤いロングコート。ヒールの高いブーツ。
地味な顔に厚めの化粧をきっちり施した女性は、いかにも...
藍姫は、しがない駄文書きです (゚▽^*)-☆
この本棚には……
「自作小説」には、 私の自作小説が、
「詩/小説」「マンガ」には、オススメ本が収納されています♪
※題名に★は イベントブログ、<B>は ブログネタです^^
親父が女と歩いているのを目撃したのは、いつもと変わらない冬の昼下がりだった。
営業で外回りをしていた俺は、昼食と暖を取るために入った喫茶店の窓から、深刻そうな顔で歩く中年の男女を見つけたのだ。
赤いロングコート。ヒールの高いブーツ。
地味な顔に厚めの化粧をきっちり施した女性は、いかにも...
分厚い本に栞のように挟まっていた写真には、若い時の父が写っていた。
今と昔とでは若者の服装も髪型も雰囲気も違うが、背景に学校の校門らしき物が映り込んでいた。
父は全く変わっていなかったので、すぐにわかった。
今は顔の皺も深くなり、髪にも白髪が目立ち始めていたが、それ以外はほぼ同じ。...