青魚岩太郎さんの日記 | ニコッとタウン

可愛さとカッコよさ～宮崎駿を解くヒント

カテゴリ：アニメ
2015/06/14 18:35:55

　フリーランスのオレが仕事を頂いている某NPOに、専従職員の30代夫婦が入ってきた。
全職は衛星TV局のディレクター。カメラマン→AD→ディレクターと駆け上がって。「何か自分のやりたい仕事じゃない」、って、転職。
　周りの人から見れば、オドロキの一言であろう。花形職業から、地味を通り越してほとんど無名の世界への転身。おそらく年収も6分の1以下になるであろうし。
　んで、今、オレの隣の家に住んでます。
　先日、NPOの職員全員で、お茶を飲みながら、漫画、アニメの話で盛り上がった。
　NPOの代表（オレの親方）は、御年70であるが、漫画はナルト、アニメはゲド戦記あたりまでは見ている。
　親方曰く。
「圧倒的な科学的想像力に加え、敢えて倫理宗教的な領域まで表現した手塚治虫なら、私の手の内で理解できる。だが、宮崎駿のすごさは感じるが、今一つ言語化できない。まあ、駿の前に駿なし、駿の後に駿なし、という意見には、賛成できるが、駿しか表現できない領域って、何だろうね」
　元ディレクターの新人職員が答えた。
「それは、可愛さでしょう。ヒロインはもちろん、ヒーローも可愛いんです、仕草、正義感、闘志、そういう要素のすべてに、可愛さが表れているんです。可愛い主人公が信念を貫くからカッコいい。特に紅の豚は、そう思いますね」
　なるほど。オレは可愛いと聞いて、クラリスとナウシカしか連想しなかったが、確かにポルゴ・ロッソは可愛いパイロットかもしれない」
　オレとしては、可愛さに健気さを付け加えたいところだったが、居並ぶ駿オタクの前で反論の連射攻撃を受けるのを恐れて、黙っていた。
　だってオレ、ナウシカとカリオストロと紅の豚しか、観てないんだもん。