古今亭今助『置いてけ堀』その5
- カテゴリ: お笑い
- 2009/07/01 14:33:10
『そのかわり倅が3日にあげず屋台物は届ける、なー! 味噌は持って来る、醤油は届ける、えー、おいらの様な幸せ者は・・まあーそうたんとは有るめぇなー! あー、おいら極楽の暮らしだと思ってるよ!』 「これがなー? 極楽の暮らしか? ものは思いようだなー、ふ~ん?」
『はぁー、おめぇには年寄りの心持が...
『そのかわり倅が3日にあげず屋台物は届ける、なー! 味噌は持って来る、醤油は届ける、えー、おいらの様な幸せ者は・・まあーそうたんとは有るめぇなー! あー、おいら極楽の暮らしだと思ってるよ!』 「これがなー? 極楽の暮らしか? ものは思いようだなー、ふ~ん?」
『はぁー、おめぇには年寄りの心持が...
「何だってそんなー・・悪いいたずらしたんだい?」 『いやいたずらするつもりは無かったんだがなー、え、釣り師が来て水を一杯飲ましてくれとかお茶を御馳走してくれとか言いながら、幾ら鮒釣ったって半分置いてくもんなんてぇ奴は一人も居ねぇ、“ここらの奴はしみったれだ、ケチだしみったれだ、たまにはこの婆のとこへ...
「何を言ってやんでぃ! 俺は何だ、今度じゃあ仕事で埋め合わせをするから連れてってくれ、よお! 場所を教えてもらえばそれでいいんだ。」 『じゃおりゃ場所教えるだけだぜ、すぐ俺は引っ返して来るぜ!』 「ああいいとも!」 『んじゃあ出かけよう!』 「出かけよう!」・・・
『おおっと兄い、兄い、違う違...
「あら源さんどうして?」 『ありがとう度々。』 「まだ熱が下がらないの? もう4日目だというのに!」 『夕べなんかねー、うなされてうわごと言ってんのさー!』 「そぉ~!」 『うーうーうなってて、“置いてけ、置いてけ!”、暫くたつとまたうーうーうなって“置いてけ、置いてけ!”、薄気味悪くなったからねー...
えー、江戸時代に七不思議と言うのは処々に御座いました。麻布七不思議、吉原七不思議、上野七不思議、本所七不思議・・本所七不思議の内でどなたも御存じなのは“置いてけ堀”で御座いますかな、それに“片葉の葦(あし)”、“狸囃子(たぬきばやし、馬鹿囃子とも)”、“足洗い屋敷”、この辺はもう大概の方はご存じで御...