Nicotto Town



金原亭馬生『臆病源兵衛』その4

「何とかしてやろう。 うー、これも俺を頼ってた男だからな、うん、じゃ、ちょっと・・え! ガタガタ震えてんじゃねぇんだ、馬鹿! 死んじゃったもんはちっとも怖くはねぇんだ、生きてる奴が一番怖いんだ! えー、帯を取っちゃって着物脱がして・・あんなに欲しがってた上布だ、着せてやろう、ねー、帷子だ。 経帷子だ...

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金原亭馬生『臆病源兵衛』その3

「は、あ、おしんちゃんも来てんですか? 本とですか、は、あ、はぇ・・ちょ・・ちょっと待って下さい、ちょ、ちょっと待って下さい・・へへ、う! そう先行かないで!・・はぁは、行きましょ!」 『よせよおい! 袖なんか引っ張んなよ!』

「いえ、あたしは放しませんからね・・どんな事が有っても・・おしんち...

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金原亭馬生『臆病源兵衛』その2

『“(ガタガタガタガタ)お化けだ! お化けが部屋へ入ってきました!” “お化けが?” こっちもガタガタ震える・・あっしが隣の部屋へ入って行ったんですよ・・女郎ですよ、ね! 怒ってんですよ。 “あたしが入ったら、ギャー、お化けだって、突き飛ばして逃げた!”てんで、こりゃ怒りますよこれはね。 えー、だか...

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金原亭馬生『臆病源兵衛』その1

え~、よく我々の方で、臆病と言う事を言います。 「え~、おりゃあ臆病者は嫌いだよ!」なんて方が、じゃあこの人は大胆な人かと思うってぇとそうでもないんですね。 『え~、何かあそこにね・・出るらしい、行って見よう!』てんで行くと、その人だけ居なかったりする、いつの間にか居なくなっちゃう・・

よく言...

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森乃福郎『太閤の猿』その4

「あ~、そこに小屋が有るな、その中か?」 『は、それではどうぞ・・』 小屋の戸を開けますとそっからこうヌ~ッと出てきました。 政宗公その猿の首筋をダ~ッとひっ摑まえました。

「お~りゃ、おりゃ! 其の方が、う~ん! 其の方か! 殿下のお言い付け有り条、大名の首をぶつというのは? 其の方か、よ~...

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