Nicotto Town



柳家小さん『将棋の殿様』その5

『では・・かような事になりまして、・・王手になります』

「王手じゃ!?・・んー!・・良い! 参れ!」

『殿に伺いますが、敵が城の塀際まで攻めよせて参りましたら、いかがなさりまする? 敵が塀際まで攻めよせてまで戦うは大将たるべき者の不明(識見の足りない事)でござりましょう。 およそ大将たる...

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柳家小さん『将棋の殿様』その4

『いやいや自分から仇討を買って出ましたぐらい、えー・・それに、仮にこの爺めの頭を殿がお打ちになりましても、殿のようなご柔弱(にゅうじゃく)な腕ではこのヤカン頭は容易にへこみません、よしんばこの頭がへこむようなお腕前ならば、これに越した喜びはございません、たとえここで頭を砕かれ倒れましょうとも武士の本...

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柳家小さん『将棋の殿様』その3

「ほほぉ、念の入った尋ね方であるなー、いや、不都合な場合にはなぁ、それもあると心得よ!」 

『各々方、やはりございます、いや、到底勝てっこない、・・・うーん、ではご貴殿どうぞ』 

「いや、ご貴殿から」 『いやいや、ご貴殿こそどうぞ、・・遠慮召さるな』 『いや、遠慮いたすよ、本当に、・・・...

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柳家小さん『将棋の殿様』その2

「いや、けしからん、・・ん! その方がいかに嘆願に及ぼうと、いや、みだりに人の陣地に入って参るとは・・・いや待て待て、・・では其の方が左様に嘆願をするならば、何か知恵を授けようか?・・・しばらく待て、・・・かよう致そう、ではなぁ其の方の飛車を助けてやる代わりに、えー、余のこの飛車がうずくまってる、こ...

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柳家小さん『将棋の殿様』その1

えー、昔泰平の頃のお大名は随分我儘な処がございまして、えー、ご家来なぞも殿様の言う事はご無理ごもっともで、白いものを黒いと言っても 「左様でございます」と言うような訳ですな。 それにこの泰平になりますてぇと、これと言って戦もございませんから、毎日が退屈でございます、ご登城するくらいのところですから後...

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