<リレー>まぁるいおそらはだれのもの? (63)
- カテゴリ:自作小説
- 2010/01/30 22:18:33
どれくらい歩いた事でしょう。
たくさん持ってきたはずの水が、徐々に減っていき、不安になり始めた頃。
三人は、やっと黒い点のあった場所に辿り着きました。
「……私、ついに幻覚が見え始めたみたい」
水華は げんなりして、足を止めました。
「それなら俺も……」
燐悟は 水華に同意して、深い溜息をついています。
黒い点が表していた地点には、奇妙な物が建っていました。
ローズレッドの壁に、アップルグリーンの屋根。白い窓枠の奥には、紫色のカーテンが掛かっています。
それは、白い砂ばかりの砂漠には似つかわしくない極彩色の家でした。
「大丈夫、大丈夫。それなら、あたしにもバッチリ見えるよぉ~」
深柑だけは動じず、ノンビリした口調で言いながら、怪しい家に近づいていきます。
「深柑、あんなセンスの悪い人間には近づいちゃ駄目! 危険よ!」
「え~、でも、何か話が聞けるかもよぉ? ジュッケンジャーかもしれないし」
それは……確かに そうかもしれません。
「うっ、分かったわ。本当は嫌だけど、声を掛けてみましょう。燐悟、ファイト!」
「……え、俺?」
じっと燐悟を見つめる女子二人の瞳は「当たり前でしょう」と言っているかのようです。
こうなっては仕方ありません。燐悟は、渋々、扉の前に移動しました。
水華と深柑は、燐悟の後ろに隠れるようにして立っています。
「御免下さ~い。誰か入ってますか~?」
燐悟は、少し投げやりな気持ちで 戸を叩きました。
「ちょっと、トイレじゃないのよ?!」
すかさず、水華がツッコミます。
「じゃあ、自分でしろよ」などと、後が怖くて言える訳がありません。
燐悟が、もう一度 拳を戸に叩きつけようとした時、扉の向こう側で人の気配が動きました。
「どちらさまですか?」
声の感じから、若い男……いいえ、燐悟と同じくらいの少年のようです。
「すいません。俺……いえ、僕達は、星人《ホシビト》で砂漠を探索中なんです」
この国では、星歌いの間、星人は いろいろな面で優遇されます。
宿や、食事、情報、ワープホールの使用に至るまで、必要な物は、無償で提供されるのです。
「お疲れ様でございます」
「中で休ませて欲しいんですけど……」
少年は「只今、主に確認いたします」と扉を開ける事なく言いました。
「え、あ、ちょっと!」
そのまま、気配が遠ざかっていきます。
「燐悟?」
「主に聞くから待てってさ」
「ちゃんと星人だって言ったの?」
「勿論、言ったよ」
「ふぅ~ん。それってぇ、向こうも星人だって事だよねぇ?」
「 「 あっ! 」 」
水華と燐悟が、思わず顔を見合わせると、扉がゆっくり開きました。
そこに立っていたのは、やはり 燐悟と同じ年代の男の子でした。
優しそうな茶色の瞳が、柔らかく微笑んでいます。
「お待たせいたしました。主が、皆さんをお茶に招待すると申しております」
「はぁ。そう、ですか」
「ありがとうございます」
「わぁ~い、お邪魔しまぁ~す♪」
燐悟を先頭に、水華と深柑も家の中に入りました。
家の中は、案の定、薄いピンク色と白と紫でまとめられた落ち着かない部屋でした。
魔法が掛かっているのか、部屋の中は涼しいのですが……。
「うぅっ、私、帰りたい」
「俺だって」
「あれぇ、この雰囲気、どこかでぇ~?」
三人が小声で話していると、少年が怪訝そうな顔をしました。
「ああ、失礼。申し遅れました。わたくし、杏栖《アンズ》お嬢さまの執事で、苫斗《トマト》と申します」
「え、杏栖ちゃん?!」
「深柑、知ってるの?」
「うん、お父さんのパーティーで……」
その時、奥の部屋の扉が開き、深緑の瞳の少年――弓利《キュウリ》を伴った少女が現れました。
やはり 砂漠には似つかわしくない お姫様のようなドレスを着ています。
「深柑さん、お久しぶりですわ。まだ満月の塔なんかに通ってますの?」
「うん、杏栖ちゃんは、双月の園《ソウゲツのソノ》だよねぇ」
「淑女は、みんな、双月の園に通うのが決まりですわ」
「相変わらずだねぇ。あ、お茶に呼んでくれてありがとぉ」
「あら、よろしくてよ。全く、砂漠に来るのに、そんな安い装備だなんて信じられませんわ」
とは言え、どう考えても、こんな馬鹿げた重装備は不要です。
でも、顔見知りだと言う深柑が相手をしている間、水華も燐悟も何も言いませんでした。
杏栖が あまり係わり合いになりたくないタイプだと思ったからです。
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63話ですw
女の子のライバルは、女の子かなぁとw
話が進みませんでした ^^;
64話は、藤名瑞希くんです♪
了解ですw
今、確認に行きまぁ~す ^^
丸投げ感満載ですけど(何
果物って 意外に洋物が多くて、漢字を当てにくいと言う事に気づいて ^^;
それに、ドリアンとか パパイヤとか、名前としても難しい気が ^^;;
国の魔法学校なので、幾つかあるかなとw
新月は 不良学校、双月は お嬢様学校みたいな雰囲気で、どうでしょうか ^^
水華たちの学校は 普通で ^^
装備……でしょうかねぇ~? ^^;
普通、テントくらいの所を、あえて家にしてみましたw
ってなんか出てきたーっ!( ゚Д゚)
満月と新月と双月か…増えそうな気配が…(滝汗
家も装備のうちなんでしょうか…ww