Nicotto Town


藍姫の本棚♪


夢日記Ⅰ 『初恋駅』 (上)

こんな夢を見た……。
 

最近、私の住んでいる町で、おかしな失踪事件が立て続けに
起こっていた。
年齢に関係なく女性ばかり、もう五人もいなくなっているのだ。

まあ、その時は、私には関係ないと思っていたけど、少しだけ
気に掛けてはいた。

親も友人も住むこの町で、また同じような事件が起こって、誰か
巻き込まれでもしたらどうしようって程度だったけど……。




それは、いつもと変わらない午後。
でも、私は落ち着きなく町を歩き回っていた。

私に そうさせているのは、私宛に届いた一通の手紙。

その意味の分からない奇妙な手紙は、薄い浅黄色の封筒に白
い便箋が一枚だけ。
便箋には、蟻のように小さくて、几帳面そうな字で一行。
 
『駅に来なければ、隣町で犠牲者が出ます』
 
犠牲者とは、例の失踪事件の事?
それとも、もっとヤバい事件とか?

でも、隣町にも失踪者がいるのだろうか。

やはり、悪戯かな。不幸の手紙ってやつ。

でも、送り主がそんな事をするはずはないのだ。

手紙の送り主……住所は隣町で、そして、名前は見覚えのある
文字の羅列。

フクマ サダヒロ。私の……初恋の人。

幼い頃から仲が良くて、よく一緒に遊びにも行ったけど、あまりに
も近くにいすぎた所為で、私は自分の恋心に気付かなかった。

気が付いたのは、中学の夏。彼が転校してしまった後。

すぐに私も引っ越してしまったので、その後十数年、彼と会う事
はなかった。

だから、彼が私の住所を知っている訳がないのだ。
この手紙は、性質の悪い悪戯だ。彼ではない。

私は自分に言い聞かせながら、町をただ彷徨っている。

第一、駅とはどこの事?

しかも、いつ行けばいいのか分からなくては、お話にならない。

これは絶対悪戯だ。
だんだん、悩んでいたのが馬鹿らしくなってくる。

「よし、決めた」

私は小さく気合を入れて、自宅近くの駅に向かう事にした。

もしも、また何かあった時、私が動かなかったからだなんて落ち
込みたくない。
やれる事はしておく。後悔はしたくないから。

が、駅に着いても、特に普段と変わった所はない。

もしかして、自称サダヒロの家の最寄り駅だろうか。
ここまで来たのだからと、私は切符を買って、改札をくぐった。

後の事は、向こうに着いた時に考えよう。





電車が行ったばかりなのか、ホームには誰もいない。

私はベンチに座り込んだ。
既に気持ちが萎えそうになっている。

と、間もなく隣町から来た電車がホームに滑り込み、中から見覚
えのある人が降りてくるのが見えた。

別れた時より背が高くなっているし、大人びた顔だけど……。

「サダヒロ!」

「? サトコ?」

ああ、やはり 手紙の送り主は、サダヒロだったんだ。
一体、どう言うつもりなのだろう。こんな悪戯して……。

 ・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・


私が見た夢をメモしておいて、後でPCに打ち込んだものです ^^

メモは寝ぼけて書いたので、意味の分らない部分もありますが、

足りない部分は、少し補足しておりますw

ちなみに、私の夢ですが、一人称の“私”は 藍姫とは別人です。

夢の中では、自分である率が極端に低いので ^^;

でも、いろいろなモノになれて楽しいですよぉw




お題ブログは、これの(下)をUPしてからにしようと思います。

でも、TV番組……最近 何を観てたっけ??

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2010/02/28 20:41
>スイーツマンさん
 視点の“私”は、私の意識化にありますが 別人です ^^
 夢の中では自分である確率が2割くらいでしょうか ^^;
 別の人生を体験できるのは 楽しいですけどね (●^ ^●)
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2010/02/28 08:52
夢小説。シュール~。藍姫さん=主人公ではなかったのですね。

中居氏とお散歩の途中で立ち寄りました。




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2010/02/27 20:43
>3スカーラさん
 私が実際に見聞きした事……なのですが、夢でなのでフィクションです ^^;
 夢の中では当たり前だと思っていた事が、目覚めると「なんで?」となるのが、
 不思議です。
 夢の中の“私”(サトコ)が何者なのかは自分でも分りませんが、彼女と心を
 共有していたので、不安と期待でいっぱいだった事は記憶にありますよ ^^
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2010/02/27 10:10
幻想的だけれども、緊迫感のある作品です。
まさしく、夢の手触りを感じます。
夢の中って、確かにできごとはあいまいなのに、感情だけは
生々しいですからね。




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