Nicotto Town


藍姫の本棚♪


きみに見えるもの。 ~後編

「ねえ、ママぁ。台吾《ダイゴ》くんが全然
 かまってくれないんだけど……」

「それは仕方ないわよ。パパ、久しぶりなん
 ですもの。あら、パパったら、また靴下に
 穴が空いてるわよ。これで何足目?」

「あ、今朝は何でもなかったのに……。もう
 踏んだり蹴ったりだな。だから、嫌だった
 んだよね。この時期に出張なんて」

「そう言わないで。今日は休みなんだから、
 ゆっくり思い出してもらいなさい」

「いや、俺が忘れられていると言うより、何
 もない所を見つめてるんだよね」

「ああ、それはね……」

ママが部屋の隅を指差すと、そこに“ネネ”
が行儀よく座っていました。

よくよく見ると、ネネも台吾くんと同じ所を
睨んでいるようです。

パパは、虫でもいるのかと思って、目も凝ら
して見てみましたが、何もいません。

「?? 何か見えているのかな?」

「さあ。でも、最近、仲がいいのよ。私には分
 からない言葉で会話しているみたいなの」

「それはすごい」

ふいに、ネネが「ニャー」と鳴きました。

勿論、パパにもママにも、猫のネネが何を
言ったのかは分かりません。
猫の言葉は話せないのですから。

でも、ネネは、したり顔で二人を見た後、の
ん気に顔なんか洗っています。

「……何か“いた”のかな。浮遊霊とか」

「やだ。怖い事、言わないでよ。可愛い妖精
 さんって事にしましょう。ねえ、台ちゃんも
 その方がいいよね?」

ママが話しかけた時、台吾くんの黒い瞳は、
パパとママを映していました。

勿論、二人には詳しい事情は分かりません。
魄の姿は見えないのですから。

でも、台吾くんには“何かが見えていた”の
だと思いました。

だって、台吾くんは、ネネのように誇らしげ
で得意げな笑みを、顔いっぱいに浮かべ
ていたのですから。

 ~END~

 ・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・

だるいので、今日はもうダウンです。

とりあえず、後編のUPだけ。

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2012/03/23 21:42
>スイーツマンさん
 と、言う訳で、修正を加えてみました^^

 文章を書く事は奥深くて、難しいですねぇ^^;
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2012/03/19 19:21
なるほど

ぱぱ・ままの会話ですね
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2012/03/14 21:22
>スイーツマンさん
 二つに分けてしまうと、そこで話が途切れてしまうんですよね ^^;
 ちなみにママさんは“石鹸の香り”です。そのまんまです。
 ちょっと大きいですが、子供はダンゴ虫みたいじゃないですか?
 虫は苦手なのですが、丸くなったりモゾモゾ動いたりする姿は
 愛らしい気がします。
 そう言う意味では、これもそのまんまです ^^;

 謎と言うほど難しい話ではなく、猫の考える事なので、と言う事で
 さらっと流していただいても……。
 この手の短編は、童話や絵本のノリで書いております。
 説明のくだりを入れるとすると、ママとパパの会話の中で、「あなた、
 また靴下に穴が空いているわよ」と台詞を入れる感じで大丈夫でしょうか?
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2012/03/14 05:38
十里瑞希さんのコメントを読んでようやくりかいできました
魄を最初に穴あけ靴下と述べてしまい、最後で使わなかったこと
幼児をダンゴムシとよんだため、比喩なのかと思って混乱したまま最後まで
読んで、なお理解できないでいました

穴あけ靴下という謎解きは、最後にもってきて、説明を
いれたほうが私には判りやすいつくり
ライトノベルやケータイ小説の作法は不勉強なもので
理解の外ですがね
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2009/01/31 22:36
ネコ目線で、いち早く気付いたパパの穴あき靴下。
それ以降は、パパをそう呼ぶネネなのでした。

見えるものについては、親戚の赤ちゃんが、あらぬ
方向を見て笑っていたので、思いつきました。
多分、怖い系じゃないかなぁ~と。
ネコにも何か見えているらしいですね。
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2009/01/30 18:52
穴あき靴下、なるほどですw
パパの靴下には穴が・・・w

ねこのあのおっきなめだったら見えそうですね~>魄
そして赤ん坊にも・・w




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