Nicotto Town


藍姫の本棚♪


夢日記26 『ボディガード』 (前)

こんな夢を見た……。
 
 
 
予備校で行われている全国一斉模擬試験は、半分まで無事に
終了していた。
本試験まであと少し。模試とは言え、気は抜けない。

とは言え、今は休憩時間。
昼食を終えた私は、ぶらぶらと校内を歩き回って、トイレまでやっ
てきた。

ふっと息を吐き出し、鏡で自分の姿を確認する。

見慣れた私の顔と……入り口付近に黒い影?!

無人と思っていた場所に、自分以外にも誰かいると分かった時
の動揺と言ったら!

でも、相手に悟られてはいけない。
気配に全く気付かなかった(姿を確認した今でも気配は希薄)け
ど、幽霊って訳ではなさそうだし、下手に刺激しない方がいいだ
ろう。

なぜって?

それは、その人の纏う空気の異様さが、私の危機回避本能をチ
クチクと刺激しているから。

なのに、その人と鏡越しに目が合った瞬間、私は 引きつる顔を
抑えるのに必死になった。

「こんにちは、お嬢さん」

まるで、そうするのが普通とでも言うように、その人が話しかけて
きたのだ。

「はあ、こんにちは」

「気をつけた方がいい。おかしな奴がここに入り込んでいる」

やっぱり、この人、ヤバいかも。

「そうですか。ご忠告ありがとう。でも、貴方も気をつけて下さい
 ね。ここは“女子専用”トイレですから」

私は、失礼にならないように、その男に言った。

間違っても「おかしな奴って貴方じゃないの?」とは言えない。
だって、おかしな奴に おかしな奴ってラベルを付けるのって、ちょっ
と怖いじゃない?

鏡越しに対峙した男は、マントのようなコートを 羽織り、帽子とサ
ングラスまでしているのだ。

後ろを取られて不利な私は、少しでも相手と距離を取るように、
じりじりと奥の方へ下がった。

鏡の中の男が怪しい素振りを見せたら、いつでも臨機応変に動
けるように身構えながら。

でも、そんな私の心の内を、その男は全く意に介しない。

「そんな事は問題ではない」

「あります。問題大有りです。私は貴方をよく知らないのですから、
 素直に言葉を信じろと言うのは無理な事だと思いますけど?」

「ワタシは、ただの通りすがりだ。それより、あいつが近づいてき
 た。早くここを出た方がいい」

「だ・か・ら、ただの通りすがりさん? 堂々と女子トイレにいる貴
 方の方が……」

私は振り向いて男を睨みつけようとした私は、肩透かしを食らわ
された。
男が消えていたのだ。綺麗さっぱり、痕跡も残さず。

幻覚? あ、まさか鏡にだけ映る人とか?

馬鹿らしいけど、鏡を見直す。が、そこにも、もういない。

最近、試験勉強の所為で寝不足だったから、疲れているのかも
しれない。

私は教室に戻る事にした。


早く人のいる場所に行こうと、トイレを出て左側にある廊下に飛
び出した途端、誰かにぶつかった。

一瞬、確認できたシルエットは、髪の長い女性。

当然、悪いのは いきなり飛び出した私だけど、腹部の刺すような
痛みに思わず眉を顰めていた。

良く見ると……痛いはずだ。
女の長く伸びた髪が、私の腹部を貫いている。

「見……ツ……ケタ」

この女、人間じゃない!!
あの変な男が言っていたのは、こいつか。

「ぐっ! 痛ぅっ」

私は、突き飛ばすようにして女から離れると、廊下を走り出した。
と言っても、怪我をしているのだ。そうそうスピードは出ない。

でも、幸いな事に、追いかけてくる女の速さは、私よりも遅かった。

「この一歩は定めの言葉!」

その言葉と同時に床が光る。

逃げるにしても、戦うにしても、まずは怪我を治さなくては。
私は、怪物女から逃げながら、言霊を発動させた。

「一歩毎に失われし我が力が戻る」

全快するのにかかるのは、20歩前後だろう。
最後の一歩を踏み出すと、踏み込んだ足の下。床が光を放つ。

うん、回復はこれで終了。
では、次は?

「この一歩は定めの言葉!」

着々と迫る追跡者に、私の心は決まった。

「一歩毎に我が身に不死が宿る」

撃退する!

逃げ惑う人の間を縫うようにやってくる怪物を感じながら、私は
廊下を走り続けた。階段の手前で、最後の一歩となる。

戦うなら、やはり広い場所へ行った方がいいだろう。
私は、階段を駆け上がり、三度、言霊を唱えた。

「この一歩は定めの言葉!」

 ・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・☆・・・

予備校とか言っていますが、舞台は 日本ではありません ^^;

魔法があり、怪物のいる世界です。

時々、魔法の起動方法について、考える事があるのですが、

夢の中では 決まった言葉を唱えて、足踏みをする事で発動

します ^^




今日は、この時間からPCが使用可能です ^^

ステプ&釣りに出かけますねw

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2010/08/30 21:10
>黒猫☮詩奈さん
 夢だと気づくのは、目が覚めてからなので、夢の真っ最中は怖いですよぉ ^^;
 眠っていても、起きていても、妄想……じゃなく、想像力全開です ^^
アバター
2010/08/30 13:18
何か本怖に出てきそうな話・・・
藍姫さんの想像力はとてもすごいですねー(*´ω`*)




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